本日よりスタートとなるドコモの公衆無線 LAN モニタサービス開始に伴い、新宿のモバイルマルチメディアラボ付近(新宿NSビル1F)での接続を試してきた。今回実験エリアとして選んだ新宿NSビルの1Fはまさにそのようなビジネスシーンの一部で、多くの会社員が行き来し待ち合わせをしている。モバイルマルチメディアラボ新宿はNSビルの1Fの道路面にそってあり建物内部にも電波が届く。新宿NSビルには屋外にも十分なスペースがあるので、待ち合わせにはもってこいだ。そこに見通しで100m前後まで電波が届く基地局が加わると、かなりよい環境が整う。事実、ドコモのモバイルマルチメディアラボ新宿から距離にして20m程度の屋外における信号レベルが93%でノイズレベルが16%とかなり接続環境はいい。


ここからあとは、あくまでも現在の実験状態での話になる。モバイルマルチメディアラボ新宿の場合、スループットとして1Mbps以上の速度がコンスタントに出ている。聞くところ、バックボーン3Mbpsに対して半分なので、悪くない数字だ。また、どのホットスポットにおいてもこれぐらいの実質スループットが出るのであれば、待ち時間に電子メールを送受信したり、必要なビジネス情報が記載されているウェブサイトにアクセスするという用途に利用するには不自由を感じることはなかろう。ただし、NTTドコモの今回の実験は、すべてのホットスポットにおいて、共通のアクセス回線を用意しているわけではない。また、今後どのような形でアクセス回線を構築し、バックボーンやサービスを運営していくかについても未定となっている。

実験としては、それなりのスケールで展開しているが商用サービスになるかどうかというと、実験中にどれだけの利用者がどういったことにホットスポットを使うかによって展開が自然と決まってくる。当然、そこにはNTT.comが実施するハイファイブの姿もあるだろう。また、先行してサービスを開始しているMISの姿もあるだろう。こうした状況からか、ドコモは6月末までのテストをとにかく実施した上で、そこから先を考えていくという姿勢を崩さない。
モバイルマルチメディアラボ新宿自体も、ホットスポットに関してなにかしらのサポートを積極的に実施するという位置付けでもなく、公衆無線LANモニターサービス事務局が中心となって、実験を通してユーザニーズをとにかく捕らえようとしている。ドコモのこの実験は、参加者がどういう用途でホットスポットを利用するかによって、将来が大きく変わりそうだ。