希望者は、9,000円の参加費用で端末の貸し出しを受けられる。実験参加の条件は、18才以上で鶴岡市に在住あるいは勤務していること(募集予定人数は500人)。ユーザが希望する情報コンテンツを端末のエージェント機能によってプッシュ配信し、市民相互または地域ポータルサイトで情報交流を行いコミュニティ作りを行うことが実証実験の内容。カレンダーやブックマーク、壁紙などの配信が予定されている。
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かんたんインターネット端末 |
端末はNTTコムと松下電器の共同開発によるもので、大型のタッチスクリーンをペンでタッチして操作する。アナログ回線でダイヤルアップ接続するモデルと、Ethernet接続を行うモデルの2タイプ。Ethernetタイプは、100BASE-Tポートを備え、ADSLモデムやブロードバンドルータに接続して利用する。
キーボードやマウスは省略され、ペンによる手書き文字認識やメモ入力などが行える。電話器も付属しており、L-mode用のTelタグによる発呼が可能なほか、電話の一般的な機能(電話帳、留守電、ナンバーディスプレイなど)を持つ。端末本体のセーフティパス用ICカードスロットにより、ICカードベースの本人認証が行える。IPSecを適用したセキュリティの高い暗号通信を行い、ホームバンキングなどにも利用可能。将来的には、マルチメディア対応やVoIPのサポートも計画されている。
実際にEthernetタイプのデモを見たところ、インターネット接続および操作について専門知識を必要としないことが見てとれた。ただし、PCの知識がない人が銀行端末ライクな感覚で利用するには、ブロードバンド接続でないとストレスを感じることだろう。簡単端末はインターネット利用者層の拡大を目指して企画されたものだが、ブロードバンドへの移行を促すという予想外の効果も期待できそうだ。