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インターネットITS協議会の目黒浩一郎氏 |
同協議会では、このプラットフォームの構築を目指しており、「プラットフォーム開発の成果はデファクトスタンダードとして公開する」という。しかし、「開発の途中はクローズドになるため、会員になって参加することにより、自社製品を有利に展開できるようになる」と、協議会への参加を呼びかけた。
また、「名古屋では、タクシー1,500台にセンサーを取り付けて、ワイパーの稼働状況と位置情報を収集した。これを組み合わせることにより、降雨の状況が把握できた」と報告した。このように、膨大な数の自動車に設置されている各センサーの情報を集めて、1つの情報を形成するのが「プローブ」だ。
プローブはITSの中でも注目されている技術だとしながらも、「センサーを取り付ける自動車をどうやって確保するのか、情報に対するお金の流れはどうなるのか、これらを一括して1社で提供するのかなど、課題は山積している」と、これから解決しなければならない問題にも言及した。
そこで浮上したのが、「システムの規模が大きくなり、情報の価値が高まってくる、という好循環へ誘導するのがカギ」とし、「導入の初期段階では、ターゲットを絞って、とりあえずはその分野に関して規模を大きくしていく方法が適当だ」という成功のシナリオを披露してみせた。
さらに同氏は、代表的なITSプロジェクトとして、道路に設置したセンサーを元に渋滞情報を配信する「VICS」と、有料道路の料金システム「ETC」を挙げ、「いずれも官が主体となっているサービスだ。民間企業の参入は、対応端末を作ることくらいだった」と、もっと民間企業が積極的に開発に携わるべきとの見解を示した。