今回の実験には、OCNやぷららなど50社程度のISPや、ソニー、日立製作所、ヤマハなどのハードウェアメーカが、さらにWIDE Projectが後援として参加する。これらの参加者が提供するサービスや機器の相互互換性を検証するのが大きな目的となっている。また、ユーザサポート「Feel6 Base」も提供され、ここではIPv6におけるユーザサポートのノウハウを蓄積するという。
Flee6 Farmでは、フリービット側に設置されたIPv4とIPv6ネットワークを結ぶゲートウェイ「Feel6 Server」と、ユーザ側の「Feel6 Client」をIPv4で接続して、その上にIPv6を流す「トンネリング接続」を採用している。そのため、既存のIPv4のネットワークが利用できる。
従来のトンネル接続の場合は、ゲートウェイのIPアドレスなどの設定が必要だった。しかしFeel6 Clientは、取得したIDとパスワードにより自動的に設定される。同社によれば、初心者でも30分程度でIPv6接続が利用できるようになるとのこと。なお、Feel6 Clientの利用には、Windows XP SP1と、IPv4のグローバルアドレスが必要となるため、NATを経由した接続の場合には利用できない。MacOS X版については近日中に公開するという。
また実験に参加しているヤマハは、ブロードバンドルータ「RTA55i」を対象にFeel6に対応したファームウェアを公開する。これにより、55iを用いると簡単にLANをIPv6に対応できる。
また実験では接続のほか、Feel6 Clientをなどを含んだソフト「BitBasket6」が提供される。このソフトでは、IPv6によるpingコマンドやtracerouteコマンドを提供する「IPv6 N/W check」や、プッシュで送られてくるニュースを受信する機能が備わっている。さらに、将来的にはRemote Access機能が実装され、自宅のパソコンにIPv6で接続してメールをチェックするなどのサービスが提供されるとのことだ。
同日に開催された発表会の席で、同社CEOの石田宏樹氏は「IP電話に代表されるようにインターネット側からホームネットワークにアクセスする必要が出てきた。IPv6はこれら、インターネットからホームネットワークなどへの到達性を確保するためには必要なインフラだ」とアピールした。
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「IPv6時代は.JPを世界ブランドに!」と語る石田氏 |
さらに、同実験に合わせてコンテンツを提供する湘南BeachFM代表/ジャーナリストの木村太郎氏は「メディアにおける技術は、実際に使ってみないと価値ある利用方法が分からない。IPv6やデジタル放送の普及が思ったように進んでいないが、とりあえず使ってみることが重要だ」と実験参加の理由に触れた。
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フジテレビの「スーパーニュース」でおなじみの木村太郎氏 |