今回、共同で進めるのは、松下電工が販売を開始する住宅設備のコントロールシステム「エミット・ホームシステム」のIPv6化である。これは、ホームセキュリティや照明、ガス、電気などをネットワークを用いて一括管理するシステム。松下電工がハードウェアの設計を行い、IRIがIPv6に関わる技術を担当する。
提携の第一弾として、IPv6に対応した家庭用ゲートウェイ「Home eXchange(HX)」の試作機が公開された。HXの主な機能は、IPv4/IPv6の「デュアルスタック」、さまざまなプロトコルをTCP/IPに変換する「マルチプロトコル」、接続するだけで利用できるようになる「プラグアンドプレイ」への対応など。
ここで特に重要となるのはプラグアンドプレイだろう。プラグアンドプレイは利用者の裾野を広げるための必須の技術だが、エミット・ホームシステムではさらに重要な役割を果たすことになる。なぜならば、各センサの設置を行う住宅の施工業者のほとんどは、インターネットの知識が皆無だからである。そのため、インターネットの知識がなくても施工できるようにプラグアンドプレイが実装されているIPv6が必要だという。
発表会の席上でIRI代表取締役所長の藤原洋氏は、「パソコンを用いたインターネットはIPv4でも十分だが、住宅のセンサレベルになると絶対にIPv6が必要だ。さらに、プラグアンドプレイの面においても欠かせない技術となる」と改めてその必要性を強調した。
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(左)IRI藤原洋氏(右)松下電工の野村淳二氏 |
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HXの試作機。現在のところファンが付いているため耐久性に問題があるという。今後は、小型化や省エネ化を進めていくとしている。 |