今回の試算は、昨年に続いて2度目。今回は表面化被害(逸失利益およびシステム復旧コスト)に加え、システム停止による作業効率低下コストや、復旧作業にかかわる一般業務コスト(消失データの再入力や手作業分の再入力など)といった「潜在化被害」についてもモデルに取り込んでいる。また、ウイルス感染などで実際にセキュリティ被害をこうむった事業所へのアンケート調査もおこない、被害額の試算がおこなわれた。
その結果とりまとめられた推計結果は以下のとおりで、第3次産業の小規模事業所における被害が占める割合が非常に大きいが、これは事業所の数が多いことによるものだ。
推計被害 総額(円) | 事業所あたり 被害額(円) | インシデント 発生割合 | 各グループの 総事業所数 | |
グループ1 建設・製造業 99名以下 | 856.05億 | 273,233 | 0.253 | 123.8万 |
グループ2 建設・製造業 100名以上 | 57.46億 | 969.636 | 0.316 | 1.9万 |
グループ3 第3次産業 99名以下 | 3409.4億 | 199.612 | 0.344 | 496.1万 |
グループ4 第3次産業 100名以上 | 68.84億 | 376,094 | 0.462 | 4.0万 |
合計 | 4391.75億 | 625.9万 |
今後については、推定の精度をさらに向上させるほか、企業などが自らセキュリティ被害額を定量的に把握できるよう、推計サービスをネット上で提供したいとしている。