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AT&T GSによれば、ヘルプデスクに寄せられるネットワークトラブルのうち、97%は対応がマニュアル化できているタイプの障害で、残りの3%は二次対応が必要な、重大な障害であるという。今回オープンしたiGEMS-CCはこの「残り3%」の事例に対応するための仕組みだ。
障害発生に際して、ヘルプデスクやネットワーク管理者が二次対応が必要と判断すると、より上位の担当者(二次対応エキスパート→エスカレーション・マネージャー)がコールされる。そして、エスカレーション・マネージャーがiGEMS-CCが必要と判断すると、本社内にいるスタッフは直接参加、三鷹のセンターや海外のエンジニアが遠隔会議システムで呼び出される(検出からここまでの所要時間は数分程度という)。オペレーションやネットワーク対応のホワイトボードなどによる情報交換が可能なほか、遠隔地のサーバなどを直接GUIベースで操作できるシステムも用意されている。これにより、原因の切り分けや対処(ワームならポートのフィルタリング設定など)の検討・実施が素早くおこなえるようシステムが構築されている。
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写真はiGEMS-CC内部の様子。左のPDPは共有ホワイトボードなどとして情報交換に使われている |
これまでは、CodeRedワームの爆発的感染のような大規模障害が顧客のネットワークに発生した場合、そのつど本社の会議室を臨時に占有して電話回線やPCを持ち込み、対応の拠点としていたという。しかしこれではトラブル対応を本格的に始めるまでに時間がかかってしまう。必要な機器やシステムをあらかじめ用意したiGEMS-CCが虎ノ門の本社内に設置されことで、必要なときには5分ほどでスタッフを招集できるようになり、対応をより迅速に行えるようになったという。
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本社と三鷹運用センタがPDPやWebカメラ、リモートオペレーティングシステムで接続されている |
この、初動までの時間が短縮できるというメリットは「残り3%」のトラブルでは特に重要とのことで、素早い初動対応によってユーザには「何も起きていない」ように見えるのが望ましいと語っていたが、ワーム流行のニュースが流れたときに「思ったほどの被害はなかった」という印象が残ったら、もしかするとそれはこうしたiGEMS-CCのようなサービスによるものかもしれない。