大きな要因として、メールの添付ファイルを経由して侵入する「マスメール型ワーム」の感染の減少を挙げている。これは、企業やISPなどにおいてメール経由でのウィルス対策が進んだことと、ユーザ自身が怪しい添付ファイルを開かなくなった事によるものだという。
しかし、WebサイトやHTMLメールを閲覧しただけで感染する「Script型」が増加しているという。具体的には「VBS_REDLOF」(2位)、「JS_FORTNIGHT」(5位)「JS_EXCEPTION.GEN」(9位)が挙げられる。
また、共有フォルダ経由で感染するウィルスも増加傾向にあるとしている。「BUGBEAR」(3位)、「WORM_OPASERV」(4位)、「LOVGATE」(7位)、「BAT_SPYBOT.A」(8位)がそれだ。OSによっては、デフォルトで共有フォルダが開放されている事もあるため特に注意が必要だという。
この2種類のウィルスは、マスメール型ワームの対策に重点がおかれた結果、盲点になり管理者や利用者に気づかれないうちに広まっていることが考えられるという。
2003年上半期のウィルス被害ラインキングは以下のとおり。
順位 | ウィルス名 | 種類 |
1 | WORM_KLEZ | ワーム型 |
2 | VBS_REDLOF | VBScript型 |
3 | WORM_OPASERV | ワーム型 |
4 | BUGBEAR | ファイル感染型 |
5 | JS_FORTNIGHT | JavaScript型 |
6 | WORM_DELODER.A | ワーム型 |
7 | BAT_SPYBOT.A | バッチファイル |
8 | LOVGATE | ファイル感染型 |
9 | JS_EXCEPTION.GEN | JavaScript型 |
10 | PE_DUPATOR.1503 | ファイル感染型 |
ほか、2003年6月分のウィルス被害ラインキングも公表された。6月分については3,262件の報告になり、5月分の2,710件よりも大幅に増えている。同社によるとこれは、ウィルスが正常なプログラムに寄生する「BUGBER」と「LOVGATE」が流行したためだとしている。
2003年6月分のランキングは以下のとおり。
順位 | ウィルス名 | 種類 |
1 | BUGBEAR | ファイル感染型 |
2 | WORM_KLEZ | ワーム型 |
3 | BAT_SPYBOT.A | バッチファイル型 |
4 | VBS_REDLOF | JavaScript型 |
5 | WORM_ OPASERV | ワーム型 |
6 | JS_FORTNIGHT | JavaScript型 |
7 | TROJ_CHECKIN.B | トロイの木馬型 |
8 | BKDR_RSBOT | バックドア型 |
9 | BKDR_IRCFLOOD.CD | バックドア型 |
10 | LOVGATE | ファイル感染型 |