広帯域ミリ波FWAは、変調信号の多値化やマルチキャリア伝送技術を採用することで無線により1Gbpsの通信を可能にした技術。ここでは、32GHz帯を用いており占有周波数幅は240MHz。さらに、通信経路制御や適応変調機能などを用いた通信品質を安定化させる機能も備わっている。
CRLでは、広帯域ミリ波FWAを用いた基地局を横須賀市役所本庁、横須賀プリンスホテル、横須賀市自然・人文博物館の3か所に設置。さらに、すでに設置されている横須賀リサーチパーク(YRP)内の5か所のミリ波FWA基地局と合わせて実験網を構築した。これを用いて多拠点のテレビ会議やビデオの配信システムを実施しており、順調に運用されている。
ここでは、基地局同士の干渉、通信経路制御機能の最適化、雨が通信に与える影響について調査を行う予定だ。
●広帯域ミリ波FWAの主な仕様
周波数:32GHz帯
複信方式:FDD(周波数分割複信方式)
キャリア数:4キャリア
変調方式:QPSK/16QAM/64QAM
空中線電力:+11dBm
占有周波数帯幅:240MHz
アンテナ:直径60cmカセグレンアンテナ
伝送速度:352Mbps〜1056Mbps
データ経路選択方式(ルーティング方式):VLAN
上位レイヤプロトコル:IPv6対応可能
![]() |
横須賀市自然・人文博物館屋上に設置された基地局。860メートル先の市役所に向けられている |
![]() |
実験網の構成図 |