モバイルブロードバンド協会は、フォーラム「3G TD-CDMAが拓くIP移動体通信」を開催し、TD-CDMAの実験を進めている3社がそれぞれプレゼンテーションを行った。ここでは、ソフトバンクBB、マルチメディア総合研究所、イー・アクセスの3社が登場し、アピールした。
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ソフトバンクBBの宮川氏 |
またTD-CDMAを用いたIP電話サービスも視野に入れており、「9月頃にはプロトタイプが完成する見込み」だと“IP携帯電話”を積極的に開発していることが伺えた。
インフラの共通化を提案したのはマルチメディア総合研究所の信國謙司氏だ。ここでは「スウェーデン、オランダなどで実施されている」と各国の状況を説明。「日本でも可能であれば模索したい。インフラは共通にしてサービスで競争するのが理想」と提案した。
イー・アクセスは、これら2社とは異なる「TD-SCDMA(MC)」を採用しているのが特徴だ。同社の諸橋知雄氏は、TD-CDMAとTD-SCDMAについて「1999年に標準化がされたため、ちょっと古い」とし、またこの2つのHSDAP版についても「要件満たすとは言えない。ちょっと足りない」と採用を見送ったとした。そんなこともあり、TD-SCDMA(MC)の採用に至ったようだ。TD-SCDMA(MC)は、特に「スマートアンテナ」を採用している点が他社が検討しているTD-CDMA方式とは異なり、干渉や周波数を有効に利用できるなどのメリットがある。
インフラの共通化を目指すIPモバイル、3社の中でIP携帯電話を積極的に進めているソフトバンクBB、TD-SCDMA(MC)で差をつけようとするイー・アクセス。各社ともに、まだ事業化を検討している段階であるものの、それぞれの違いが見え始めてきた。