実験は、3Mbpsや6Mbpsの高画質コンテンツをFECサーバで配信、各モニター宅のSTBでテレビに映し出すという形で行われた。
FECは、パケットロスが発生した場合に、先行して到着しているパケットからロスしたパケットを復元することができるという技術。パケットロスで通常行われる「再送」では、サーバ側が送り直すのに時間がかかるためパケットロスが映像の乱れなどとして目に付くが、FECの場合は高速に補完できるため映像が乱れずに再生できるのが特徴。
サービス面でも、FECのありなしで比較した結果、FECありの方が視聴時間が長く、視聴回数も多いという結果が出たという。特に視聴回数については、FECなしではパケットロス率が5〜10%になるとほとんど視聴されなくなるのに対し、FECを使用するとロス率が15%を超えても視聴回数が高いという結果になっている。
今回の検証によって各社では「パケットロスが10%程度であっても商用レベルのVODサービスが可能」(発表資料より)になると見ており、今後、試験サービスでの技術やノウハウをもとに高品位映像配信システムの開発やサービス提供などを行うとしている。
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発表資料より、パケットロス率と視聴回数の関係 |