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パ写WARPサービスの概要 |
パ写WARPは、あらかじめURLや会員番号などの情報を電子透かしとして埋め込んだ画像をカメラ付き携帯電話またはWebカメラで撮影すると、その電子透かし情報からIDを読み取り、関連情報に変換し、関連情報を表示するというサービス。たとえば、キャンペーン情報を埋め込んだポスターをカメラ付き携帯電話で撮影すると、携帯電話にキャンペーンページが表示されるというイメージだ。このとき電子透かし情報は、メールに添付して送信されるか、専用アプリケーションを使ってダウンロードされる。
パ写WARPの特徴のひとつに「自由にデザインできる」ことがあげられる。QRコードやバーコードのように決まった枠はないので、どこにどれだけ埋め込むかは制作者側が自由にデザインできる。使い方によっては、パ写WARPをデザインの一部としてアレンジすることもできるようだ。サンプルとして表示された映画の画面では、顔以外の部分に一種のデザインとして埋め込まれていた。
また、パ写WARPは媒体も選ばない。利用できる媒体は、TVなどの映像、紙媒体、街頭ディスプレイなど従来のメディアだけでなく布製品など広範囲に及ぶ。サンプルとしてはTシャツにパ写WARPが埋め込まれた画像がプリントされていたが、ネクタイやハンカチなど用途は広いとみている。
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写真左:パ写WARPが埋め込まれた画像(顔以外の部分)。写真中央:Tシャツに埋め込まれたパ写WARPをカメラ付き携帯電話で撮影。写真右:電子透かし情報を読み取った状態の携帯電話 |
さらに枠という規制がないので、撮影しやすいというメリットも生まれる。NTT東日本法人営業本部ブロードバンドビジネス部担当部長の園田雅文氏によれば、仮にパ写WARPがポスター全面に埋め込まれていた場合、ポスターのどの部分(全体の約4割程度)を撮影しても問題なく認証されるということだ。現状では斜めからの撮影に弱いなど改良点も多いということだが、これら技術的な問題点についても、マーケットトライアルで検証していくという。
なお、1月から3月末まで実際されたフィールドトライアルでは、東京都や千葉県などで開催された3回のイベントで通算約1,600名のモニターが体験した。その結果、携帯電話の機種やカメラの種類よって認証がうまくいかないといった問題点についても、認識率を上げるなど改良を加えていくという。
マーケットトライアルでは、利用販促ツール、イベントやキャンペーン、会員管理ツールやエントリツール、TV番組やCMとの連動、個人認証など、より商用利用を視野にいれたものが予定されている。また、電子透かしを埋め込むときに使うアプリケーションについても、デザインツールのプラグインといったように単体で提供するのか、あるいはまとめて提供するのかなども検討していくという。
マーケットトライアルに参加する企業は、第一興商、ニッポン放送、ぐるなび、日本ヘラルド映画、ソニー・ピクチャーズエンタテイメント、アテナ、ANAビジネスクリエイト、エヌ・ティ・ティ・アド、エヌ・ティ・ティ・カード・ソリューション、エヌ・ティ・ティ・ビズリンク、東日本電信電話(NTT東日本)の各社。