ソニー、7四半期ぶりに増益 純利益61.6%増の532億円
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主な分野別の業績は以下のとおり。
エレクトロニクス分野は、「プレイステーション2」(PS2)の生産を中国での外注生産にし、ゲーム分野へのセグメント間取り引きが大幅に減少したため、売上高が2.5%減の1兆2,133億円となった。営業利益は、前年の432億円から83.4%減の72億円。
製品別に見ると、フラットパネルテレビや液晶リアプロジェクションテレビ、デジタルカメラなどの売上が増加したが、携帯型オーディオやブラウン管テレビが減少している。
PC事業は国内外で事業環境が大きく異なった。海外は好調だったものの、国内のバイオは期待外れの結果となり、微減。PC「バイオ」の年間出荷台数の見通しは370万台。内訳はデスクトップが130万台、ノートが240万台を見込んでいる。
ゲーム分野は、ソフトウェアの売上が増加したものの、ハードウェアの売上が減少し、全体では25.8%減の1,196億円となった。営業利益は、前年同期の22億円の黒字から若干の損失。
音楽分野は、8月にベルテルスマンと設立した音楽制作事業に関する合弁会社「ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント」が持分法適用会社となったことで、売上高が41.5%減の584億円。営業利益は、59億円の赤字から22億円の黒字。
映画分野は、「スパイダーマン2」のヒットや、DVDソフト売上の好調により、売上高が2.3%増の1,917億円。営業利益は、46億円の赤字から274億円の黒字に転換した。同分野が全体の営業利益に大きく貢献。
ソニーの大賀典雄名誉会長が米国家電協会主催の授賞式で、「ソニーのブランド価値が20位なのは、ちょっとがっかり」と発言した件について、井原氏は「私もしばらくエレクトロニクスの事業を離れ、西欧に駐在してソニーのエレクトロニクスとは違うビジネスを3年ほどやってきた。久しぶりにソニーのエレクトロニクスに復帰して4カ月経過したが、ソニーのファイナンシャルパフォーマンスの面では、私も正直言って少しがっかり。大賀さんの意見は、現役に対して、従来のビビットな商品や魅力ある商品、新しいカテゴリを創出する力という点を頑張れというエールだと理解している」と説明した。
2004年度下半期についての見通しは以下のとおり。
「2004年度下半期に期待している商品は、何といってもディスプレイのビジネス。ディスプレイは、トリニトロンからフラットへ急速に転換しているが、単価も大きく、マーケットも大きい。AVビジネスの大きな部分を占めるので、ディスプレイが強くならないと、ソニー全体におけるAV事業の回復感は出ない。製品別に見ると、液晶プロジェクタ「グランドベガ」の引きが米国で強い。国内では、先日発表したPDPやLCDを使った新しい「ベガ」シリーズに期待している。そして、忘れてならないのは(携帯ゲーム)「PSP」。PSPの価格には、かなり多くの人が驚かれたのではないでしょうか。相当思い切った戦略的な価格にしたため、すぐに収益に貢献するわけではないが、ここにソニーの勢いというか、覚悟を見ていただきたい」(井原氏)
《高柳政弘》
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