BBit-Japan、高知工科大学「KUTフィルムスクール」の作品25本を無料配信
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同スクールは高知工科大学(KUT)のキャンパス内に併設された、6週間の「集中映画学習プログラム」だ。
ハリウッドの名監督を多く輩出しているニューヨーク大学大学院映像学科長、クリスティーン・チョイ女史の指導のもと、未来の映像クリエイター育成を目的に昨年夏からスタートした。
今回配信されているのは、同スクールで「優秀作品」に選ばれた「しと、しとと。」(監督・山崎はるか)、「pierrot」(同・杠政寛)、「La-ball」(同・梅山直樹)など5作品のほか、全25作品だ。
配信帯域は、1Mbps、500kbps。視聴にはWindows Media Playerを使用する。
優秀作品5本を(独断と偏見で)カンタンに紹介しておこう。
まず「しと、しとと。」は、日本の昔話によくある動物が化ける話をモチーフにした作品だ。日本独特のわびさびや間のもつ空気感を表現した印象的な作風である。特に作品のすべてが凝縮されたファーストシーンは秀逸だ。
また役者のレベルが露にならない手法を使い、そのぶん物音を作品自体の「セリフ」にして効果的な演出をしている。優秀作品の中では頭2つ抜けた存在だろう。
ただしこの作品には、おそらく「製作者が考えているほどの斬新さ」があるわけではない。が、それでも見る側に斬新だと感じさせてしまうのは、力量がある証拠だろう。RBB NAVi版「最優秀賞」を進呈しよう。監督・山崎はるか氏の将来が楽しみだ。
次点の優秀賞は「pierrot」。テイストが「しと、しとと。」に似ているなと思いながら観ていたら、エンディングのスタッフクレジットで、この作品の撮影監督を務めたのが「しと、しとと。」監督の山崎氏だとわかるオチがついていた。
3番手は、ナイキCMの設定を変えたような作品ではあるが「La-ball」を。このほか「10th room」の世界は、突き詰めるとレイモンド・カーヴァーになるのだろうが当然そこまでは射抜けていない。「Do the right exercise」も製作者の意図はわかるが、「10th room」同様の甘さを感じた。
《松岡美樹》
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