進化続くIP-processor、自律ストレージやWindows対応シンクライアントなどが登場
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
コンソーシアムの全体会議で富士通の品川雅之氏はIP-processorの最新モデル「IPC60」について紹介。CPUにTransmetaのEfficeon (TM8600・1GHzまたはTM8820 1GHz)を搭載、メインメモリは512MBまたは1GBとなっている。カートリッジにはPCカードスロット2つが搭載されていて、拡張性を確保している。IPC60Gの標準構成時の消費電力は、TM8600モデルで16.5W、TM8820モデルが12.0Wでいずれも自然空冷で動作可能だ。
IPC60Gは、ボックス型ケースと組み合わせることでスタンドアロンでSTBや簡易サーバなどに使用することができるほか、ラックマウントサーバとして使用するためのIP-nodeもラインアップされる。40Uの19インチラックにIPC60Gを160台組み込んだ場合には消費電力は3.2KVAで、4KVAあれば導入することができる。
さらにIPC60では、HDDを接続したいという要望に応えてHDD内蔵タイプのボックス「IPC60K」「IPC60L」や、HDD搭載ブレードによる「IP-storage」もラインアップされている。ブレードには1台のIPC60Gと5つのHDDが搭載されていて、8枚のブレードを組み込むことができるIP-storage540(5Uサイズ)の場合、最大容量は16TB。このIP-storageを利用したストレージとして、ブレードの追加や交換時に自律的にディスク内容をメンテナンスしてくれる「オーガニック・ストレージ」「RPS・分散ストレージ」などが開発中だという。
また、JCCの石井孝利氏は、IP-processorを利用した高性能シンクライアント「Quality Client System」を紹介。クライアント上でネイティブのWindowsXP/2000が動作するというのが特徴で、ディスクドライブはネットワーク経由で提供されるため、万一クライアントが持ち去られた場合でもディスクドライブを持たないため情報漏洩のおそれがない。Windows上で動作する業務アプリケーションがそのままシンクライアント環境に移行できるということで、注目されるソリューションであろう。
IP-processorコンソーシアムの会長、藤原洋氏(インターネット総合研究所 所長)は、ネット・放送・電話の“トリプルプレイ”サービスが普及する中で、サーバやSTBなどIP-processorが利用される場面はさらに拡大するだろうと語った。
今後のIP-processorは、低価格化を目指してAMD GeodeNXを搭載したIPC50 / IPC70、64ビット対応のIPC64(AMD Turion搭載)も計画されており、用途に応じてさまざまなモジュールが選択できるようになりそうだ。
《伊藤雅俊》
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