うつ病は正確な診断と早めの治療が大切〜ウェブ・シネマ「スマイルズ・アゲイン」
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11月10日には制作発表会が行われ、加勢大周や伊藤かずえら出演者がコメントした。また制作側による主旨説明や、本編の上映などが行われた。
発表会では、まずグラクソ・スミスクラインのマーケティング本部 eビジネス課の和田信広課長が主旨を説明した。
和田課長は「メディカル・トリビューン」(2005年9月8日)のデータを引用しながら、「就労者の自殺の背景として、うつ病は68.4%を占めると言われる。(病院で診断されていない人も含めた)うつ病の潜在人口は、650万人だ」などと現状を語った。
続いて医療従事者のためのマーケティング支援サービス「MR君」を運営しているソネット・エムスリーの一木浩コンテンツ プロデューサーは、「医学系のコンテンツは難解になりがちだが、たくさんの人にわかりやすく見せるよう作った。うつ病は(労働力の減衰など)社会的損失が大きく、企業でもどう扱えばいいのか? が問題になる」と作品を語った。
また「医療アドバイザー」として脚本にもかかわった北島クリニックの北島潤一郎院長は、臨床現場における問題点をこう説明した。
「うつ病は増えているが、医療機関で正しく診断されていない。たとえばうつ病にかかる率は5〜8%だが、専門書では0.5%とされている。これはうつ病であるにもかかわらず、『適応障害』などとほかの診断がされているからだ。
大切なのは正確に診断が行われ、早めの治療が進むことだ。自分はもしかしたらうつ病では? と考えている方々などが、このコンテンツを見て専門医にかかるきっかけになればいいと思っている」(北島院長)
一方、主演の加勢大周は、「僕も初めは演じた役柄通り、(うつ病が原因で何もできなくなるのは)根性がないからだ、などと考えていた。この作品で正しい知識が広まり、間違った認識をもたれないよう願っている」と語った。
最後に本橋圭太監督も「自分もこの仕事に入るまで、うつ病に関してまったく無知だった」としながら、うつに対する感想や作品について述べた。
「本人の近くにいる人ほど、その人がまさかうつ病になっているとは気づかない。それがすごく怖いな、と思った。この作品でうつを身近な問題として受け取ってほしいと思う。
作品自体はラブコメとして面白いものだった。その部分を強調して作ることが、うつ病をテーマにすることとマッチしていた。ネットシネマは(テレビドラマなどと違い)、一過性のものではない。評判が上がれば、後からでも見る人が増える。1回流せば終わりではない。そこが大きな特徴だと感じている」(本橋監督)
うつ病の人は、誤解などがもとで社会から孤立しやすい。周囲の人々の理解と支えが必要な病気だ。本人、または職場や身近に病者がいる人は、このコンテンツを見て理解を深めよう。
《松岡美樹》
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