[mobidec 2005] ウィルコム、通話定額プランやW-SIM採用による端末の充実でユーザ拡大を目指す
エンタープライズ
その他
注目記事

◆ マイクロセル方式を活かした得意分野でユーザ拡大
同社は今年5月に日本初(世界でも初)の、月額2,900円の基本使用料のみで、ウィルコム同士の通話やメールが無料となる定額プランの提供を開始した。この定額プランが非常に好評で、サービス開始後の契約数も急激に上昇しているという。
同社が、AIR-EDGEのデータ通信常時接続サービスや、こうした定額プランを提供できる背景には、同社が採用しているマイクロセル方式の採用によるところが大きい。マイクロセル方式では、他社のが採用するマクロセル方式に比べ、同一エリア内を多数の基地局でカバーするため、通信のトラヒック(データの流量)が適度に分散される。そのため、長時間通話や常時接続のようなサービスを提供しても、サービス品質が低下しにくいという。
また、マイクロセル方式は、常に電話機と基地局が近くて済むため、電磁波が弱い。したがって、人体や医療機器への影響も少なく、同社の端末は、病院での医師の呼び出しや、救急車での連絡など、医療機関での採用も多いという。
◆ W-SIMによるモジュール化で魅力的な端末も続々登場
他社に比べるとまだまだ端末の種類が少ない同社だが、その対応策として同社が打ち出したのが「W-SIM」だ。これは、PHSの心臓部である無線機能をモジュール化し提供するもので、これにより従来よりも容易に端末を製造することができるようになり、既存の端末メーカー以外からの参入にも応じられるという。また、ユーザにとってもW-SIMを差し替えるだけで、機種変更が可能になるというメリットも生じるという。
セッションの最後に、同社が今秋から冬にかけて投入する新しい端末を紹介した。なかでも注目は、シャープとマイクロソフトと共同開発したPDA型端末W-ZERO3だ。無線LAN端末としても通信可能で、SIM STYLE専用ポータルサイトでは、W-ZERO3公式コンテンツも用意するという。W-ZERO3の投入により、通話メイン派から、通信機能重視派、多機能希求派まで、さまざまなユーザ層を広くをカバーできるとした。
《竹内充彦》
特集
この記事の写真
/