【mobidec】TBSのモバイル&ネット戦略を紹介−1セグと動画配信への対応
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■番組連動からの有料コンテンツやショッピングへの誘導
TBSは有料モバイルコンテンツの提供を2000年10月以来行ってきているが、今秋は「テレモるウィーク」と題して、5つのテレビ番組と連動したキャンペーンをモバイル上で展開し、有料サイトならびにモバイルショッピングへの誘導をはかった。これは視聴率の押し上げにもつながり、また参加者へのアンケート結果では「楽しかった」「次回も参加したい」との声が多かったことから、同氏は今後もこうした番組連動を企画していきたいとし、さらにはこうしたモバイルによる番組参加をTBSの売りにしてきたいとも語った。
■放送と通信の連携による動画コンテンツの配信
動画コンテンツの配信に関しても、地上波連続ドラマとの連動企画として、出演者らによる予告やインタビュー、クイズなどを行った実績を紹介した。今夏放送された「こちら本池上署」では、提供元の松下電器が同社の携帯電話を利用できるモバイルコンテンツを要望したこと、出演者の権利者が映画会社の系列にあり、肖像権の問題がクリアしやすかったことなどもあって、ドラマの制作以前からモバイルとの連動を企画できたという。
放送局の動画コンテンツは「宝の山」ともいわれているものの、その配信に関しては出演者の肖像権や音楽著作権などの問題が壁となり、現実的にはトライ&エラーの状況に陥ることが多いと成合氏はいう。そのため今後は、各権利団体としっかり向き合って、その問題をクリアしていきたいと語った。
■1セグ放送を見据えた展開
今後の課題として、成合氏は「マルチユースコンテンツの開発」を挙げた。TBSは地上波のほかにも、BS、CS、インターネット、モバイル、といったメディアを持っており、これらすべてのウィンドウに対応できるコンテンツを開拓したいとした。そのために、全社横断的な「ウィンドウコントロール会議」を設けているとのことである。
「放送と通信の融合」という言葉がホットになっているが、同氏は「融合」ではなくあくまでも「連携」であることを強調した。テレビ番組をより盛り上げるために通信という手段を活用させてもらい、同時に通信側にも利益が生まれるシナジーを生んでいきたいという。
今後の戦略としては、1セグ放送をみらんだ新しいビジネスモデルの構築を行っていくとし、具体的には、無料サイトの有料化、横浜ベイスターズとのスタジアム連動、さらに映画連動を検討しているとのことである。
折しもこの日は、楽天との資本および業務提携の協議開始に関する覚書を交わした日。同氏は、放送局とネット企業がそれぞれの得意分野で連携できることがいいビジネス展開に結びつくとし、ジョイントベンチャーなどによって、さまざまな企業と積極的にビジネスの連携をはかっていきたいとした。
《柏木由美子》
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