【PIE2006】荻窪圭のPIE2006レポート 写真用品編
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
現地では分厚い出展社の製品カタログを入手できる。昨年までは「写真・映像用品総合カタログ」だったけど、今年から判型がB5からA4に大きくなり(これも時代の流れ?)、名前も「写真・映像用品年鑑」となった。これは是非(一般来場者は有料だけど)入手したい。
ここには各社の全製品が載っていて一望できるので、近所に巨大なカメラ店がなくても、三脚を買いたいけど今はどんなのがあるんだろう、カメラバッグにはどんなのがあるんだろう(何しろたくさんありすぎて全部を揃えてる店なんてそうはない)、こういう写真を撮りたいんだけどそれに便利な道具がなんかないかな、とかそういうときすごく役立つ。いろいろ眺めてるだけでも、「あ、こういうときはこれを使えば便利そう」なんてのが見えてくるからね。
最近はこういうカタログを見て、Webで扱ってる店を調べてオンラインで注文って使い方もできるのだ。
では現地で見たいろんなアイテムの話を新製品を中心にしよう。
とにかく出展社が多く、メーカーやブランドが独自にブースを出すこともあれば、販売代理店がまとめてブースを出すこともある。
TENBAやFoxFireは「銀一」だし、Loweproやペリカンは「ハクバ写真産業」、ジッツォはKFCという具合だ。だからいろんなブースをこまめに回ると多くのものに出会える。
わたしが今回見たかったのは三脚とバッグ。
「本庄」のブースへ行くと、マンフロットの新型三脚が展示されていた。発売は6月になるらしい。マンフロットはイタリアの三脚メーカーでプロ用のビデオ・カメラ用三脚のほかライティング用スタンドなどのスタジオ機材も豊富に用意されている有名なブランドだが、最近はコンシューマー向けの軽量デジカメ用三脚に力を入れているようで、軽くて小さなものをたくさん出している。
その1つがmodoシリーズ。特徴は小型グリップ式雲台。ロックを外してグリップを持ち、位置を合わせてロックするだけというシンプルな使い勝手だ。写真を見てわかるように雲台は非常に小さく、コンパクトデジカメやコンパクトなビデオカメラ用。三脚も細いカーボン三脚で望遠レンズ+デジタル一眼レフには物足りないが、ハイエンドコンパクトデジカメにはいい。
ほかにもdigiシリーズとして、重さが1kg以下の小型軽量コンパクトデジカメ向け三脚をラインアップしていた。
本庄ではこちらも6月以降の登場になるが、「ナショナルジオグラフィックブランド」のアイテムも取り扱い開始。ナショナルジオグラフィックは日本語版も出ているので知ってる人も多いと思うが、けっこうオリジナルのアイテムも出している。
でも三脚は2006年にPMAで初登場。実際に三脚を作っているのはマンフロット社だが、NationalGeographicらしさは随所に出ている。ナショナルジオグラフィックといえば苛酷なネイチャーフォトだけど、三脚もフィールドワーク向けのデザインで、特にこの自由雲台は防水仕様でしかも硬さを調整できるのでその場その場で扱いやすいセッティングにできる。なかなかおもしろそうだ。
ナショナルジオグラフィックブランドではフィールドワーク用のバッグも。ナショナルジオグラフィックファン(わたしも日本語版創刊時から定期購読中)はぜひ一見を。
マンフロット以上に有名な三脚といえば、フランスのGITZO(ジッツォ)。
ジッツォといえば重くて頑丈なプロ向けカメラ・ビデオ三脚というイメージだが、最近は積極的にカーボン三脚に取り組んでいる。その最新作が日本初登場した。三脚の足を180度反対側に折りたたむことで折りたたみ時の全長をすごく短くできるTravelerシリーズ。6Xカーボンなので従来のカーボンと同じ強度で30%の軽量化を実現。4段のG1158Tは最高149cmで折りたたみ時に41cmまで小さくなり、重さは0.93kgにも係わらず、最大荷重4.5kgなのでデジタル一眼レフ+望遠レンズでもOK。高価だが、撮影旅行にとてもいい。
日本の三脚メーカー(ベルボンやスリックなど)も積極的にカーボン三脚に取り組んでおり、アウトドアや旅行に持っていきやすい三脚として注目したい。三脚は、その気になればいくらでも安くて華奢なものがあるけど、多少高価でも強度がしっかりある製品じゃないと絶対に後悔するから。
三脚の次にチェックしたのが(何しろ写真用品、撮影用品の種類は膨大なのだ)カメラバッグ。
それだけでも山ほどあるので、個人的にチェックした新製品をいくつかあげてみよう。
超有名なプロ向けカメラバッグメーカーTENBAの新作はメトロパックIIシリーズ。もともとノートPCとカメラを運ぶ用途で設計された「メトロパックII PC」があったのだが、それが好評でノートPCが入らない普通のタイプも欲しいという声があり、新たに用意したということだ。
オーストラリアのメッセンジャーバッグメーカーとして登場したCRUMPLERはメッセンジャーバッグ系らしく派手でポップなデザインが特徴。黒やベージュのカメラくさいバッグは苦手、もっとカジュアルなのがいいという人にお勧めだ。毎年進化しているのだが、気軽な撮影散歩によさそうなのが「ミリオン・ダラー・ホーム」シリーズ。デジタル一眼レフ+レンズとストロボなど最小限の装備をいれて持って行くのにいい。中仕切りがしっかりしててポケットが多いのもいい。色は4パターンもある。
ブースでお薦めされたのはメッセンジャーバッグに市販のカメラバッグ用インナーケースを入れて使うという方法。確かにちょうどはまる(このバッグはバーニー・ラッスル・ブランケットというメッセンジャーバッグ)のだ。そんなにはいないかもしれないけど、自転車で撮影にいったり、現地で自転車で移動しながら撮影する人にいい。メッセンジャーバッグは身体にフィットするので動きやすいのもいい。
FoxFireもおもしろい新型カメラバッグを出していた。トートバッグタイプの「フォトレックトート」シリーズ。ファスナーを開けると中には中仕切りがあるカメラバッグが登場。カメラバッグに見えないし、カメラバッグ以外にもいろいろ使えそうだ。
FoxFireのカメラマンベストも新作が出てた。「フォトレックサプレックスベスト」はデジタルカメラ用に一から設計されたもので、従来フィルム入れになってたポケットがメディア用ポケットになったほか、ポケットの形状や出し入れのしやすさも全面的に見直されている。女性用バージョンも用意されているのが新しい。
どれも銀一が扱っている製品。ちょっと偏ってしまったが、個人的にチェックしたかったブランドをとりあげたらたまたまそうなっちゃったのだ。
さて、デジカメに必須といえばメモリカードだが、今回、サンディスク社が独自でブースを構えていたのもおもしろい。サンディスクといえばCFカードを開発した会社であり、松下電器、東芝とSDメモリーカードを共同開発した会社なので、一番安心して買えるブランドともいえる。どのデジカメでもサンディスクのメディアでは動作テストしてるはずだから。特に最新の「Extreme III」シリーズは超高速で安定しているので非常に評判がいい(その分高価だけれども)。
それ以外のデジカメユーザーのみどころはやはり撮影小物。
例えばKenkoブースで見つけたホワイトバランスを簡単に求められる「ホワイトバランスセッター」。レンズの前につける乳白色のドームで、これを通して環境光の色を捉えてホワイトバランスをセットするのに使うのだ。やや高価だが、グレーカードより手軽でいろんなシーンで使えるのが便利だ。
小型の外付けフラッシュもひとつ持っていると便利。室内でフラッシュ撮影するときなんか、スレーブフラッシュ(カメラ内蔵フラッシュの発光を検知して自動的に光る)を補助光として使うと光にバリエーションを作れるし、最近のコンパクトデジカメは小型化によってフラッシュが小さくなってるので、補助ストロボがあると助かるケースは多い。
フラッシュメーカーとして有名なSUNPAKも5月発売予定のコンパクトなオートストロボPF20XDを展示していた。アクセサリシューにつけられるほか、スレーブフラッシュとしても使えるし、ワイドパネルを内蔵してるので照射角も広げられるし、マニュアル発行も可能と、コンパクトストロボとして非常に幅広く使える。
ほかにも各社がデジカメで製品写真を撮るための簡易スタジオなど各種撮影補助用品、コンパクトデジカメ用のコンバージョンレンズ、デジカメ用ケース、メディアケース、水中ケースといったケース類など多くの製品が並ぶ。
細かい製品がたくさんあって追い始めるとキリがないが、カメラプラスアルファの周辺機器類はカメラと同じくらい重要、特に三脚やバッグは自分にしっくりくるか否か、目的の用途にあっているか否かで大きく変わるので、是非吟味して選びたいのだ。
《荻窪圭》
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