富士通研究所、HDD向け潤滑剤を開発〜HDDの大容量化に貢献
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HDDの記憶密度を上げて大容量化するためには、ディスク媒体と磁気ヘッド間の隙間(浮上隙間)を小さくしてデータの読み書きの精度を上げる必要がある。HDDのディスク媒体の表面には、データを読み取る磁気ヘッドとディスク媒体の接触による破損や不純物の付着を防ぐために潤滑剤が塗布されているが、約10nmの浮上隙間に対して現行の潤滑剤の分子の高さは2nm程度と比較的大きいため、潤滑剤の分子の高さを抑える技術が必要とされていた。
分子量が小さい潤滑剤材料を使うと潤滑剤が蒸発しやすく、さらに磁気ヘッドに付着することで信頼性が低下する問題があった。しかし、今回開発された技術では、分子量の小さい潤滑剤分子を複数連結して、さらに連結部に保護膜と連結しやすい吸着基を導入することで、分子の高さを低く保ちながらもトータルの分子量を増やして潤滑剤の蒸発を抑えられる。従来通りの製造プロセスで潤滑膜が作成できるのも利点のひとつとして挙げられている。
今後は、2010年以降に実現が目指されている1平方インチあたり1テラビットの高密度HDDの実現に向けて、この技術の実用化を目指すとしている。
《富永ジュン》
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