矢沢永吉がライブトークに出演〜日本のロックヒーローは収録現場でも迫力満点 | RBB TODAY

矢沢永吉がライブトークに出演〜日本のロックヒーローは収録現場でも迫力満点

エンタメ 音楽
ジャパニーズロックのカリスマ、矢沢永吉
ジャパニーズロックのカリスマ、矢沢永吉 全 4 枚
拡大写真
 日本のロック界の帝王として君臨する矢沢永吉。その偉大な足跡の一方で、若いファン層も増えているのは、まさにカリスマならでは。そんなビッグEが、5月15日のYahoo!ライブトークに登場した。

 収録場所は、ヤフー社内の会議室。とはいっても、中継・録画機材一式が持ち込まれて、専門スタッフもスタンバイ。通常のムービースタジオと変わらない感じだ。中継現場独特のピリピリした雰囲気もそのまんま。記者に対しても、様々な注意事項が事前に通知される。トーク用のテーブルにはノートPCとマイクが配置、それを囲むように、テレビカメラ、マイク、記者席、客席が取り囲む。

 そして開始時間5分前に本人がスタジオに登場! 白のジャケットに黒のパンツと、ラフな格好でもとことんキマるのがやはり矢沢だ。軽い雑談ののち、さっそくトークライブが開始された。

 まずはトークライブということで、インターネットの話題から。矢沢はメールもチャットも自身でこなすとのこと。ライブの同時中継も行っている矢沢なら当然だ。普段の連絡もメールを結構使う、とのこと。続いてここ最近の活動として、大晦日のK-1での熱唱と、年明けに行われた、イチローとの対談の話題に。「若い頃のボクもよく言ってたな〜」というぐらい、イチローの話がストンとハマったとのこと。「でも若い頃の矢沢と違って、イチローさんは柄がいい(笑)」と会場を笑わせる。さらにWBC直前に、改めてイチローから電話連絡があり、一緒に食事に行って「美味しい酒を飲んだ」との裏話を披瀝した。

 そして話題は、初のリミックスアルバムとなる「YOUR SONGS 1 2 3」(3枚同時リリース)に移る。ソロとなって31年、そんな矢沢でも2、3年前から「俺の方法は正しいのか」という疑問を抱くようになった。海外のロックのルーツに憧れて、早期からアメリカにわたって活動してきた。作り手としては、マニアックで凄い音楽を作ってきた自負がある。「これでもかこれでもか、とずっと音楽を作ってきた」。最高のミュージシャン、最高の環境、最先端の音楽の作り方を行ってきたが、それが本当に“普通のリスナー”にとっても最高なのか? 特に今の若いファンたちはどう思っているのか、ずっと疑問を感じていたという。「シンプルに楽曲を聴きたいんじゃないか?」という考えがずっと矢沢の頭に残り続けた。

 そして昨年末、別業界の友人から「もっと聴きやすくしてくれ」というアドバイスがあったことで、「グサッときた」。自身初となるリミックスを決意。年明けの20日から、すぐスタジオ入りしたという。

 また、選曲についてもあえて他人にまかせてしまった。それもプロデューサやディレクターではなく、事務所で働く女の子や、会社のバイトなど、ごく身近だけど通常考えられないような、ある意味素人にまかせてしまった。だがそれこそが矢沢の狙いで、マニアではない普通のリスナーが自分の曲をどう受け止めるか、どれをリミックスしてほしいと感じるか、それを知りたかったという。実際にあがってきた曲名を見て、自分もリミックスしたいと思った曲もあったし「え?なんでこれを?」と思う曲もあったという。「都会の風よ」などがその典型だったという。

 さらに、当初は2枚組の予定だったという話も飛び出した。自身の曲のチェックのためにドライブしながら聴いていたときに「ああ、これだったんだな」と“誰もが聴きやすい”の意味が実感でき、次の瞬間にはスタッフに「3枚組にしよう!」と電話で連絡を入れていたとのこと。

 ここで話題は2世代下のファンたちにも滲透している「タオル投げ」の話になる。起源は覚えていない、とのことだったが、たぶん自分の投げたタオルに、ファンが反応して「パラパラがバラバラに、バラバラが…ドロドロに(笑)と増えていった」と由来が語られた。やはり数万人単位でのタオル投げは「矢沢の側からみても圧巻」らしい。

 番組も終盤にさしかかり、ネットに寄せられた質問が矢沢にぶつけられた。まずは「過去の自分に戻って言いたいこと」という質問。「マネージャには気をつけろ? かな(笑)」と笑いを誘うが、一転真面目な表情で「昔の自分の頑固さもわかる。でも、いっぱいある。だから、どの時期の自分に、どんなアドバイスをすればいいかなんて、一つに絞れない。それは他のアーティストも一緒だよ」と、大人らしい発言。司会者も言っていたとおり、迷いのなさそうに見える矢沢にも、もちろん数々の迷いや悩みの瞬間があったわけだ。「こうやって、まだ現役で武道館に立って歌えているんだから、今も最高ですよ」と、もちろん前向きだ。

 続いて「ここまで活動できるエネルギーの源泉は?」との質問には、「ええかっこしい」だから、という端的ながら深い回答が語られた。その他には「ストーンズ公演について」という質問で「観客にパワーを与えるだけじゃなくて、ボクももらってる。だからファンから『パワーをくれてありがとう』という手紙をもらってもピンとこなかった。でもストーンズ公演を見て、ちょっとわかった気がした」との考えも。

 最後に「世界中で見ている人がいる、とのことでエキサイティングしている。人生にいくつかのターニングポイントがあったが、この3枚組のリミックスもそう」と、今回のリミックスアルバムをいろんな人に聴いてほしいとの希望を語り、ライブトークは幕を閉じた。とにかく56歳になってなお盛ん。トーク中も、とにかく表情豊かに話し続け、その魅力はあふれんばかりだった。ライブ会場に10代から70代のファンが集うというのもうなずける。最高の一時だった。

 ライブトークは、リアルタイムな動画配信とチャットを組み合わせた視聴者参加型のイベント。質問や応援メッセージを書き込めば、出演者からリアルタイムにコメントをもらえるチャンスもある。視聴およびチャットでの参加はいずれも無料で、Yahoo! JAPAN ID(登録無料)とブロードバンド回線、Windows Media Playerなどの視聴環境が整っていれば誰でも参加可能だ。今後も、さまざまな旬の人物が登場するから、要チェックだ。

《冨岡晶》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース