100人未満の企業でもIP化が着実に進む——沖電気がプレゼンテーション
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同社IPシステムカンパニー IPシステム本部 マーケティング部課長の加藤滋氏が、まず情報通信環境の現状のなかで注目したのは無線対応のDual携帯電話の登場だ。外出先では従来どおり携帯電話として、オフィスでは無線LANを利用した内線電話機として使える2面性をもった端末のリリースによってFMC(Fixed Mobile Convergence)がいよいよ現実系になってきたと説明した。
ただし、中小企業のLAN環境導入は約90%に達しているが、無線LANは残念ながら半数未満の36%。しかし氏は「携帯電話がいろいろ新しいフィーチャーを搭載して各キャリアからでてくると、こちらの中小企業の無線LANも本格化していくだろう」と予想する。またIP電話についても、「外線を光電話などに乗り換えたいという相談が非常に増えてきており、100〜300人規模の企業では、2〜3年でIP電話化が加速していくだろうと思っている」と分析した。
従業員300人以下の企業におけるIP電話導入の目的は、1位通信料の削減、2位PBX保守運用コストの削減、3位メッセージングの統合だ。氏はコスト削減が導入目的のトップだが、そこに終始していてはいけない。今後はコスト削減プラス業務効率化を追求していく時代になると強調する。IPであるがゆえの新たなメリットを考えていかなければいけないとして、ウェブの業務システムを使う場合に、表示されている相手に簡単に発信する、離れた場所で資料を見ながらバーチャル会議ができる、電話がかかってきた相手のメールやファイルを自動検索してくれるなどソフトフォンの連携を例示した。
また、こうした中小企業に対するIPの提案で重要なのは“マイグレーション対応力”だという。中小企業でもIP電話化が進んでいるとは言え、その利用ははじまったばかり。「これから何が使われるのかというと、既存の電話機、アナログの外線がしばらく使われるだろう。そこにうまく提案をもっていこうとすると、ISDNだったり、アナログの外線だったり、あるいはアナログの電話機だったり…というものを、いかにうまく今後の環境の動きに対応させながらIP環境にもっていくかが問われる」と氏は話す。
同社ではSIPサーバータイプ、PBXタイプの2系統のIP製品をライナップしている。展示されているSS9100 TypeMは、最大500ポートまで収容可能なSIPサーバー。もうひとつはIPstageEX300。これは384ポート対応の中小容量のハイブリッドIP-PBX。「ハイブリッドというだけあって既存の端末類の収容が可能だ。ソフトフォン、FOMA、Dual携帯をはじめっとしたIP端末も収容でき、コストパフォーマンスにすぐれたモデルだ」とアピールした。
最後に氏は、今後のIP電話の推移についてはボタン電話のIP化対応も09年度には50%がIP化対応となるというデータを示しながら、「中小企業の次にくるのは100人未満の企業のIP化だ」と解説。家庭内LANはの普及が小規模事務所のIP化を促進しながら、「IP化の波は止まらない」と結んだ。
《小板謙次》
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