AMDとATI、合併に関する共同記者会見を開催
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記者会見では、米AMDの執行副社長兼ワールドワイドセールス/マーケティング最高責任者であるヘンリー・リチャード氏と、カナダATIテクノロジーズのワールドワイドセールス上級副社長であるリック・ヘグバーグ氏が今回の合併について説明した。また、各社の日本法人である、日本AMD代表取締役社長のディビッド M. ユーゼ氏と、ATIテクノロジーズジャパン代表取締役社長の森下正敏氏も同席。
今回の吸収合併について、AMDのリチャード氏はAMDからATIにを申し込んだものだと説明した。これは、2005年のCOMPUTEXの会場において、リチャード氏とATIのヘグバーグ氏が会食しながら業界の将来について語り合った中で、「両社はより密に協力していくことが1番だという」当時の何げない話がきっかけだったとのこと。
なお、日本法人の森下氏は2〜3週間前に本件について聞いていたが、ユーゼ氏が知らされたのは発表日である7月24日の朝だったという。
両社の合併の目的として、「成長」「革新」「選択」という3つの優先課題を実践していくためだと紹介した。まず、成長は、両社の有する技術や人材を結集できれば、すべての事業で市場シェアを拡大できると確信しているという。次の革新は、業界で初めて、CPU、GPU、ロジック回路、メディアプロセッサーといった幅広い領域を1社でカバーできること。最後の選択は、開かれたプラットフォームや多くのスタンダードを信じて実践してきたことをさらに進めていくという決意だ。
ATIのヘグバーグ氏は、「AMDはサーバやデスクトップ分野に強い、一方のATIはデジタル家電やハンドヘルド、デジタルTV、PC分野に強みがあり、互いを補完することで相乗効果が発揮できる」と述べた。また、「日本国内におけるATIブランドの価値の高さも評価されたと思う」とコメントし、地理的にも補完できるという実例を示した。
リチャード氏は、「AMDの06年第2四半期業績は前年比50%増を達成し、ATIの人材も魅力的だった」という。また、「製造面でもAMDはファブを所有しているが、ATIはファブレスのため、ファブが過剰となることもなく、現状の開発体制や拠点が維持される」と説明。さらに、ATIの事業は、新生AMDとなってもすべて引き継がれるという。特に、「顧客第一主義の公正で開かれた競争という従来の信念に基づき、インテル向けにもATI製品を提供し続けていく」と力説した。
両社の協業による新製品は、まずモバイルプラットフォーム向けとして、2007年に登場する予定。これは、ノートPCの性能を損なうことなく、省電力化を追求するという。「シリコンの設計サイクルは18〜36カ月だが、2008年にもいち早く新製品をリリースしたい。ATIの省電力技術やビデオ処理技術は、AMD LIVE!にとってもプラスになるし、新興市場向けでもいろいろやっていきたい」と意気込みを語った。
日本法人の統合については、「買収の手続き完了には、今後3〜4カ月かかる見込みなので、その間に今後いろいろ検討していく。決定したら、しかるべきときにアナウンスしたい」(ヘグバーグ氏)と説明した。
《高柳政弘》
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