アッカ、ソリューション支援型サービスとネットワークサービスの多様化で拡大を図る
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アッカネットワークスの代表取締役、坂田好男氏は「個人向け光サービスの未達(3億円)、M2M(Machine-to-Machine)事業を含むソリューション事業の遅れ(18億円)、個人向けADSLの純減(11億円)」が売上高30億円減の修正要因であると述べた。その上で、同社が取り組むべき今後の課題として、「個人向けADSLの純減への対応」「自社光サービスの展開の遅れ回復」「ソリューション事業早期立ち上げによる成長の維持」「継続的コスト削減による利益確保」という4点を挙げた。
それぞれの課題に対する対応策は以下のとおりである。
■個人向けサービス
・純減抑制策として、地方DSL事業者のユーザー巻き取り、低コストを意識した低〜中速域新サービスの投入、ダイヤルアップユーザーに対するアプローチの強化
・自社光サービスの展開については、営業外部委託によるマンション訪問販売の強化、およびTikiTiki、OCNに加え新規ISPを獲得していく
■M2M+ソリューション
・営業プロセス面では、直接営業から間接営業へ方針を転換、営業プロセスの改革(パートナー営業部、ソリューション開発グループからの顧客アクセス)、協業先開拓のための仕組みづくり(大塚商会、マイクロソフト、ウィルコムなどとの協業開始)
・プロダクト面に関しては、顧客ニーズに対応した基本サービスの整備(個別仕立てではなくイージーオーダー的な発想で使い勝手のよいサービスメニューを用意)
■コスト削減に対する取り組み
・人的費用削減、販売促進効率化の推進(メリハリをつけた販促)、ハウジング費用の見直し、設備投資の削減、システム開発費の抑制・保守費用の見直しなど
このような施策をした上で、坂田氏は「コミュニケーションサービスカンパニーとしてのメニューを増やしていく」と、今後の事業展開について説明した。同社の事業展開は2つの方向性があるという。1つは「ソリューション支援型サービス」であり、もう1つは「ネットワークサービスの多様化への対応」である。
前者のソリューション支援型サービスでは、パートナー企業がユーザーに最適なサービスを提供することで、顧客やチャンネルを拡大させていくシナリオである。同社ではネットワークサービスやプロセスをモジュール化して、低コストでさまざまなサービスを機動的に提供できるアッカ・ソリューション・プラットフォーム(ASPF)を推進している。従来の個人・企業・M2Mといったターゲットに対し、さまざまなパートナー(通信業界以外も含む)とともに顧客にアプローチをかけるソリューション支援型サービスを加えることで、エンドユーザーに対してネットワークとサービス両方を提供できるようなワンストップ型にしていく方針だ。
また後者については、ネットワークサービスの多用化への対応としてWiMAXを推進していく方向だ。同社では、すでにWiMAXの実証実験をスタートしており、事業免許獲得に向けて準備を進めているところだ。この8月末には基本特性など第1ステップの実験を終え、総務省へ報告する予定だ。さらに9月からは第2ステップとしてアプリケーション実験を行い、その模様を随時公開していくという。
坂田氏は「ADSL、FTTH、WiMAXを総合的に提供する事業シナジーを追求していく。WiMAXに関しては、垂直統合モデルではなく、連合体のような構成モデルができるのではないか」とし、WiMAXのオープン性とアッカの中立的な立ち位置を活かして、「緩やかな連合体の形成や、既存モバイル事業者では難しい領域へのマーケットを開拓していきたい」と説明した。そして、同社がモバイル事業に参入した際には、「データ通信の高速大容量化によって個人・企業向けデータ通信市場を拡大し、低コスト化を実現することでロングテール型のテール部分(新規データカード市場)まで対応していく」という方針を明らかにした。さらに既存モバイル事業者で難しかったデジタルデバイドエリアへの展開も図っていくという。
最後に坂田氏は、「何が問題でどのような対策をすればよいかが明確になり、我々の弱い部分もようやくわかった。今後は着実に手を打って、信頼感を取り戻していきたい」と抱負を語り、説明会を締めくくった。
《井上猛雄》
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