“ネットワークの真実”を突き止める「networkDNA」 -ネットワークジェネラルの新製品
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米ネットワークジェネラルは、ネットワークのパケット解析ツール“Sniffer”の開発元だが、知名度が高い割には社名が知られておらず、単にパケット解析ツールの開発元と片付けられてしまうこともあったという。しかし、現在のネットワークジェネラルのソリューションは単なる解析ツールのレベルにとどまらず、ネットワークを基準にアプリケーションのパフォーマンス管理まで行い、ITサービスの品質保証を可能にするところまで視野に入れている。
同社では“Network Truth”(ネットワークの真実)という言葉を使っているが、これは、「ノードから得られる情報に比べ、ネットワークを流れるパケットの方が改竄が困難であり、それ故ネットワークの解析から得られる情報こそがシステムの現状に関する真実を語る」(日本代表 諸橋隆也氏)という意味合いを込めたものだ。
そして、この“Truth”を情報ソースとして提供して“Single Source Performance Management(単一情報源に基づくパフォーマンス管理)”を実現し、リアルタイムのITパフォーマンス管理の実現を目指すのが、同社が掲げる新アーキテクチャ「networkDNA」である。ここには、業界標準リポジトリを目指してあらたにリリースされる「networkDNAパフォーマンス管理データベース(PMDB)」も含まれる。
また、統合管理ツールの新製品として、「Network Intelligence Suite」も発表された。同製品は、米ネットワークジェネラルが今年2月に買収したFidelia社の製品に由来する「NetVigil」と、現行の管理製品である「Visualizer」の組み合わせで構成される。
NetVigilは、ビジネス・サービスのパフォーマンス管理を行なう“Business Container”テクノロジーを実装し、プラットフォームとなるネットワークデバイス、アプリケーション、サーバのリアルタイム・パフォーマンスの視覚化を可能とする製品。Business Containerを介して提供される「構成設定済みのソリューションセット」である“Business Forensics(ビジネス・フォレンジックス)”も重要な新機能である。Visualizerは、インフラ・ネットワークの側に着目し、ネットワーク・トラフィックとアプリケーションのパフォーマンスを視覚化できる管理製品だ。
両者の組み合わせにより、ビジネス・サービスの稼働状況とネットワーク・インフラのパフォーマンスの相関付けを行うことが可能になる。なお、Network Intelligence Suiteの日本国内での市場投入は2007年半ば頃になる見込み。
新アーキテクチャと新製品の投入を受け、日本では2007年にかけて「単なる障害対応ツールから脱却」を図り、2009年までの3年間で「エンタープライズ・ソリューションの本格展開」「“ネットワークから実現するシステム管理”の定着」などの目標の達成を目指すという。また、networkDNAのデータストアとなるPMDBにアクセスするためのAPIの公開も予定されている。APIを公開することで他社製品との連携を容易にし、ERP、DBMS、Web、CRMなどのアプリケーションや、OpenView、JP/1、Tivoli、SystemWalkerといったノード管理製品との連携を実現し、「ネットワークから実現するITサービスの品質保証」の確立を目指していくとしている。
《渡邉利和》
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