「Firefoxがマイクロソフトを動かした」 -Mozilla Japanの伊藤穣一氏
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
説明会には、Mozilla Corporation COOのJohn Lilly氏を始め、Mozilla Foundation理事兼Mozilla Japan理事の伊藤穣一氏、Mozilla Japanマーケティングマネージャ金井玄氏などが出席してスピーチを行った。伊藤氏は、「Firefoxのユーザーはすでに全世界で700万人に到達し、日本においては16%ものシェアを持つまでに成長している。2年前のFirefoxのローンチまではWebブラウザ市場ではInternet Explorerの独占が続いていて、Firefoxのこれほどまでに猛烈な追い上げがなければ、Internet Explorer 7が開発されることはなかっただろう。大企業のマイクロソフトを動かしたことは、Mozillaプロジェクトのミッションのひとつを達成する大いなるマイルストーンだと感じている」と語った。
続いて壇上に立ったLilly氏は、他地域と比べるとFirefoxの普及に遅れが目立っていた日本市場でも、日本語環境に関連する多くのバグフィックスを行った成果として2005年には3.6%だったシェアが2006年には8.9%に倍増し、さらに政府機関や教育機関でもFirefoxが採用されるなど、着実かつ急速な普及をアピールした。また、伊藤氏のスピーチを受けて、これからのMozillaプロジェクトの目標としてはでき得る限りオープン化と競合を推し進めることで新たなる発展をもたらし、Webアプリケーションの分野に貢献していきたいとした。
金井氏によるFirefox 2の機能説明では、簡単な説明とともにMac OS X版Firefox 2を利用しての動作デモが行われた。タブブラウズ機能では、選択したタブ上に閉じるボタンが表示されるほか、タブスクロール機能や開いているタブの一覧表示が可能となった。また、Webフィードの管理機能では、従来のライブブックマークに加えて、RSSリーダーアプリケーション、およびWeb上のRSSサービスへ直接登録できるようにした。さらには、Yahoo!またはGoogleを検索エンジンとして指定した場合に検索キーワードの候補一覧が表示される機能や、フィッシング詐欺サイトの警告機能も用意された。さらに拡張機能を管理するアドオンマネージャでは拡張機能とテーマの両方を一元管理できることに加え、拡張機能を無効、または削除できる。同様に新たに追加された検索エンジンマネージャでは、検索エンジンプラグインの追加や削除をしたり、並び順を変えられる。さらに検索プラグインを提供しているページでは、検索ボックスの検索エンジンアイコンの右側に水色の矢印アイコンが表示されて、そこから検索プラグインを追加できるように改良されている。これらの機能の多くは現在も拡張機能を導入することで利用できるものだが、本体に取り込まれることでより初心者にも利用しやすい形に進化したと言えるのではないだろうか。
Windows Vistaへの対応については、先週かなりの時間を費やして検証を行った結果として、かなりの互換性が確認されたとした。ただし、「製品版がリリースされていない現状では、どのようになるかわからない」と慎重な回答が提示された。
《富永ジュン》
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