ジェミナイ、3D描画のコミュニティサービスを提供できる携帯電話用プラットフォームを発表
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同社は、2001年に創立されたワイヤレス専門のソフトウェア企業。米国と日本のテクノロジーを融合するユニークなワイヤレスコミュニケーション技術を開発している。発表されたeXploは、3D描画のコミュニティサービスを携帯電話に提供できるソフトウェアプラットフォームだ。従来、個別に提供されてきたチャット機能、写真共有、ショッピング、パーソナライズツールなどを単一プラットフォームで統合し、3D仮想空間上でこれらのサービスを利用できるようになる。
日本法人 代表取締役のマイケル・ツォー氏は、「現在、世界には30億台の携帯電話がある。逆にいえば、まだ残りの人口の35億人が利用していないことになる。そのほとんどが中国マーケットだが、まずMNPの影響で競争が激化している日本で事業を展開して成功したい」と意気込みを語った。
eXploでは、ソーシャルメディアの概念を取り入れたサービスを統合できる。平均化され、あまり差別化を図れなかった従来型の携帯サービスよりも明らかに効果が得られるという。たとえば、キャリア側のメリットとして、コミュニティで仲間がいるため解約の減少につながる点や、広告展開、アバター・壁紙などのパーソナライズアイテムなどによる新しい収益のソースになる点、ユーザーの対象に適したコンテンツ配信などが可能になるとしている。
また、ジェミナイは携帯電話向けのJava実行環境「JBlend」を提供しているアプリックスと協業することも同時に発表。「携帯サービスにおいて、リッチアプリケーションが増えてきた。バーチャルマシンだけでなく、アプリケーションとのダイナミックな連携が必要」と、アプリックスの山科氏は協業の経緯について説明した。
すでにソフトバンクモバイルの携帯電話(シャープ製)において、このeXploとJBlendが採用されており、同社の携帯サービス「S!タウン」で、チャット、ゲーム、ショッピングなどのサービスが開始されている。Javaアプリケーションとして、携帯電話へプリセットしたり、アプリケーションをダウンロードすることが可能で、3D表示でもスムーズに動く。
米ジェミナイ CEOのスコット・ドリガーズは、「eXploは、キャリア間でのサービスもサポートするオープンなプラットフォームだ。特定のネットワーク、キャリアに依存するものではない。キャリアを超えたコミュニティサービスとして利用できる」と述べた。ただし、実際にキャリアの壁を越えたコミュニティサービスの実現については、「キャリア側の戦略となる」という。
《井上猛雄》
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