マイクロソフト、「User in Control」でカスタマイズできる検索エンジン「Live Search」
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まずはWindows Liveの全体像を、オンラインサービス事業部プロダクトマネージメントグループ ディレクターの小野田哲也氏が説明。「Liveとは、ユーザ参加型サービスの1つの形である。Web 2.0的なものであるが、従来のもののように、ソフトをサービスで置き換えるようなものではなく、あくまでも“ソフトとサービスの融合”を目指す」「すべてのサービスがオンラインから提供されるかのような説があるが、本当にそうだろうか。ソフトはソフトで、しっかりと動き、意識せずシームレスにネットも利用できるのが理想」「デスクトップもイントラネットもWebも、1つのエクスペリエンス(操作方法)でたどり着けるのが理想」とした。OSメーカーであるマイクロソフトにとっては、OSの使用感の延長で、Webサービスもそのまま使える形態が望ましいわけだ。
そのうえで「User in Control」というタームをあげ、ユーザはより積極的にサービスをカスタマイズできるという点も重視。こういった理念を実現するのが、Liveサービス群ということになる。
続いてLive Searchの概要を同グループ・サーチチームマネージャの川岸達之氏が解説(なお、従来はWindows Live Searchと呼ばれていたが、オフィシャルリリースに伴い、Windowsの表記はなくなっている)。マイクロソフトの検索エンジンの道のりを振り返ったのち、「User in Controlに乗っ取った、パーソナライズされた検索、すなわち“あなたに最適な検索”を提供する」のがLive Searchであるとした。その一環として、「地図検索(β版)機能」「検索マクロ機能」「関連検索機能」の3つの新機能が追加されたということになる。
具体的な新機能の解説は、同グループ・サーチチームマネージャの伊集院絹子氏が解説。まず「地図検索(β版)機能」を実際の画面を表示しながら説明する。Live Search地図検索は、名称こそ検索だが、「視覚化」「共有」「カスタマイズ」が重視されている。たとえば、地図と航空写真を重ねたハイブリッドビューにより、航空写真状態でも、道路名・建物名などが確認できるようになっているのは、視覚化の1つだ。
ユーザによる情報共有とカスタマイズとしては、ただ検索結果として地図を表示するだけでなく、そこに「プッシュピン」を刺して、コメントやメモを貼り付けることが可能になっている。これらの情報はスクラッチパッドに「コレクション」として保存しておくことができるだけでなく、他ユーザと共有することも可能。たとえば「赤坂の美味しいお店」といったプッシュピンをたくさん刺して、それを共有・公開するといった使い方が考えられる。描画ツールも用意されており、矩形や線を地図に書き足し、それにメモを貼り付けることまでできてしまう。こうして作った地図を印刷するときも、それぞれの情報を取捨選択して印刷することができる。ここでもカスタマイズが浸透しているわけだ。「固定リンク」を使ってURLを生成すれば、表示している位置座標だけでなく、表示方法・縮尺・検索結果・スクラッチパッドの状態も含めて、まったく同じように表示できる。こうして生成したURLは、そのままメールに添付して他ユーザに送付することもできる。
Live Search地図検索では、今後の取組みとして「Visualization Imagery(見たら分かる)」「Relevance & Local data(関連性)」「Developer Platform(開発者向け環境)」「Mobile Search Location-based devices(携帯対応)」「Local Knowledge(地元にある情報)」「Monetization(地域に限定した広告)」の6点があげられたが、いずれもLiveの理念に沿ったものである。
なお、Live SearchとVirtual Earthの違いについては、Live Searchがコンシューマ向けWebサイトであり、Virtual Earthは、それを支える基幹プラットフォームであるとのこと。
続いて「Live Search検索マクロ」および「Live Search関連検索」について、再び川岸達之氏が解説。
「Live Search検索マクロ」では、マクロを使うことで検索アルゴリズムのカスタマイズが可能となる。たとえば、釣り情報だけを検索できるサーチエンジン、料理レシピ専用サーチエンジン、IT系ニュースサイトを優先的に検索するサーチエンジンなど、自分好みの検索をワンボタンで行えるようになる。こうして作成したマクロを公開することもできるようになっている。マクロ作成は、検索対象サイトを指定するだけの「初級」と、演算子を駆使して詳細なマクロを作成する「上級」の2モードが用意されている。こうして作ったマクロは、検索テストを行い結果を比較しながら調整可能となっている。出来上がったマクロを登録すれば、それをURLとして指定して、いつでも呼び出せるようになる。デモとして、ポッドキャストを配信しているサイトを優先的に検索するサーチエンジンが紹介された。このマクロを使うと、たとえば「TBS」と検索しても、TBS公式サイトではなく、ポッドキャストの配布ページが優先して表示された。
続いて「Live Search関連検索」の紹介。これはユーザが検索した語句に対して、他の言葉を追加したパターン、同義語などを最大8つ表示するというもの。またMS IMEの技術も導入されており、ひらがな・カタカナの入力であっても、それを漢字にした語句を提案するなど、正しい漢字が分からなくても、個人名などが検索しやすくなるというもの。
デモとしては「とよとみひでよし」を検索することで「豊臣秀吉」はもちろん、「豊臣秀吉天下統一」「日吉丸」といった関連語がワンクリックで検索できた。「料理」の検索では「料理レシピ」「今日の料理」「豆腐料理」といった関連語が表示される、という具合いだ。
「地図検索(β版)機能」「検索マクロ機能」「関連検索機能」の3つの新機能により、Live Searchは大幅パワーアップした。User in Controlの理念のもと、マイクロソフトのWebサービス企業としての挑戦が、いよいよ本格的に始まった。
《冨岡晶》
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