WiFiコミュニティプロジェクト“FON”が日本市場でのビジネス展開を開始
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
FONは、2005年11月にスペインで開始されたプロジェクトで、利用者が自宅に設置した無線LANアクセスポイントを開放・共有することで全世界に無線LANインフラを構築する、ユーザー参加型のコミュニティ・プロジェクト。現在、世界144か国でAPが4万か所、会員数は16万人に達しているという。
FONでは会員を「Fonero」と呼び、3種に分類する。
1.「Linus」(ライナス)
自宅にFON専用ルータ(LaFonera)を設置してAPを無料開放する。ほかのユーザーが設置したAPも無料で利用できる。負担するコストはLaFoneraの購入費用(1,980円)のみで、Foneroが存在するエリアであれば世界中どこでも無線LAN接続を利用できる。
2.「Bill」(ビル)
自宅に設置したAPを有償開放する一方、他者が公開しているAPも有償で利用する。
3.「Alians」(エイリアン)
APを設置せず、他者が設置したAPを有償で利用する(日本では1日500円程度を想定)。
会員登録を行っておけば、全世界どこででも同一の設定で無線LAN接続が可能になる。また、従来の無線LAN接続サービスの展開サービスとは異なり、一般ユーザーにAP設置を任せるため、従来は手薄になりがちだった住宅地などでエリアの充実が図れる点が特徴だ。会員種別名はLinuxの開発者であるLinus Torvalds氏と、マイクロソフト創業者のBill Gates氏からそれぞれ採られたものと思われ、オープンソース的な発想で無線LANインフラを共有拡大していこうという姿勢が根本にあることが感じられる。
FONのCEOであるMartin Varsavsky氏は、「ブロードバンド・ユーザーは、自宅では王様だが、外出すると接続できる無線LANのアクセスポイントを探し回る羽目になる。写真やビデオを撮ってblogにアップロードするにも、3G携帯を使うと写真1枚送るための通信料が数千円にもなったりする」と語り、FONの意義をアピールした。
なお、日本での展開に際しては、Billは設定せず、LinusとAliensのみとなる。Linusの獲得に関して、フォン・ジャパンでは「2007年内に7万5000台」を目標にしている。この段階での売上規模は、ルータ(LaFonera)販売で8,000万円程度、Aliensからの接続課金で1,000万円程度、計1億円程度を見込む。以後は、広告・アフィリエイトやコンテンツ課金、ストレージ・サービスの提供といった展開が想定されている。
フォン・ジャパンでは、12月5日より同社のWebサイトでLaFoneraの販売を開始するが、同時に12月9日までの5日間に限り、LaFoneraを無償提供するキャンペーンを展開する。
また、BB.exciteと共同で、BB.exciteの都内在住会員を対象に3000人のモニターを募集し、モニターにLaFoneraを無償提供する。このキャンペーンの応募開始は12月4日。
また、九十九電機の秋葉原を始めとする全国9店舗でLaFoneraの店頭販売が行われるほか、九十九電機のネットショップでも販売される予定。
《渡邉利和》
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