Bluetoothが普及していない日本は重要な開拓市場 -普及団体の代表が来日 | RBB TODAY

Bluetoothが普及していない日本は重要な開拓市場 -普及団体の代表が来日

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エグゼクティブ・ディレクターのマイケル・フォーリー氏。'04年3月に同職に就任し、Bluetoothの人称と相互運用のプログラム、仕様の公開、中長期のロードマップの策定を指揮している要職だ
エグゼクティブ・ディレクターのマイケル・フォーリー氏。'04年3月に同職に就任し、Bluetoothの人称と相互運用のプログラム、仕様の公開、中長期のロードマップの策定を指揮している要職だ 全 7 枚
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 Bluetooth SIG(Bluetoothワイヤレステクノロジの開発と普及を推進する業界団体)は8日、来日したエグゼクティブ・ディレクターのマイケル・フォーリー氏による記者説明会を行った。

 Bluetoothとは、ご存知の方も多いかと思うが、短距離用(モバイル用途は有効距離10メートルほど)の無線技術のひとつで、消費電力の少なさが特徴(仕様のバージョンは現在2.0)。携帯電話、ヘッドセット、PDA、ノートPCなど今ではさまざまなものに搭載され、各種データのやり取りに利用されている。世界レベルで見て11月初旬時点で10億台を突破し、大変好調な状況だ。

 ただし、日本国内はまた世界と違った情勢となっており、対応機器がまだ多くなく、それほど普及しているというイメージはない。そうしたことから、日本は重要な開拓市場と考えられているようで、今回もエグゼクティブ・ディレクターのマイケル・フォーリー氏が来日を果たしたというわけだ。また、アジア・太平洋地域並びに日本のマーケティング・ディレクターに就任したばかりのリンダ・ホー氏が今回合わせて来日。日本は、アジア太平洋地域とは別扱いになっていることから、より日本が重視されていることがわかるはずだ。さらに、テクニカル・マーケティング・マネージャ日本担当に就任して間もない本保孝治氏も出席。マイケル・フォーリー氏に紹介される形となった。

 フォーリー氏は、スクリーンを使用して、Bluetoothの現状を紹介。「世界レベルで認知度が高まっている」こと、「対応機器が10億台を突破したこと」などからスタートした。また、「今後はより高速化してより多くのデータをやり取りできるようにし、ビデオストリーミングなどの機器でも利用できるようにしていく」とも語った。また、10月12日にニューヨークで開催された家電見本市「Digital Life」で発表された、インターネット上のテキストおよび画像コンテンツを、PCからモバイル機器へBluetoothによって無線転送できるクライアント・サーバー型アプリケーション「TransSend」についても言及(同アプリケーションは、Bluetooth対応のWebサイトで利用できる)。「Bluetooth SIGは『TransSend』に対応したWebサイトを増やすことも目標」とするようだ。同アプリケーションの具体的な使用例としては、「Web上でお店の住所などを見つけたとき、その情報をモバイル機器に簡単に転送できる」といったこと。そして、モバイル機器が例えば携帯電話の場合なら、そのアドレス帳にお店のデータが転送されるのだそうだ。

 最後に、Bluetooth SIGそのものについても語られた。現在、Bluetooth SIGに参加しているメンバー企業は、世界で6000社以上。アジア、ヨーロッパ、アメリカとおおよそ3分の1ずつというパーセンテージだ。特に重要な「推進およびアソシエイト」と呼ばれるメンバーはアジア企業が半分以上を占め、その中でも日本企業は4分の1程度を占めているとのこと。普及はまだまだという感じだが、国内の企業はBluetoothに対してもしっかり注目しているという証拠である。ちなみに、アジア・太平洋地域のメンバー企業は急速に増えたようで、それに対応するためにリンダ・ホー氏と本保孝治氏を迎え入れたとのだそうだ。こうした人材補強により、よりメンバー企業やマスメディアとの密な連携を取れると考えているようである。そして、「今後もBluetoothをより発展させていくよう努力していく」ということで締めたフォーリー氏であった。また、質疑応答では、若干ながら今年以降の技術的なロードマップについても語られた。2008年に登場する製品から、より高速化するとのことである。

 世界レベルと比較すると、国内ではそれほど対応機器が増えていないBluetooth。日本は技術面で独自色が強いことが多いが、Bluetoothはどうなるのだろうか? なかなか浸透しないけど一度堰を切るとどっと来るというのが、日本でたびたび見られるパターンなので、便利であるというのを消費者が認識しさえすれば、一気にいきそうな気もするが、どうだろうか? 日本と世界の温度差というものを認識させてくれた、記者説明会であった。

《デイビー日高》

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