サーバの仮想化を導入から運用/最適配置まで支援する日本HPの新サービス
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
VMwareを利用すると、1台の物理サーバ上で複数の仮想サーバを稼働させることで、多数の既存サーバを少数の物理サーバに集約することが可能だ。本サービスでは、既存のサーバを何台の物理サーバに集約可能かを分析し、HPが持つノウハウを加味した統合提案を行うことができる。
本サービスでは、以下の4段階でアセスメントを行う。
1.インタビューに基づいてユーザーの環境を把握し、導入前チェックリストを作成する。
2.情報収集ツール「VMware Capacity Planner」を情報収集サーバにインストールする。
3.一定期間評価対象サーバの情報を自動収集する。
4.評価結果と実際の導入時の推奨構成、統合後のサーバの負荷バランスを予測したレポートを作成する。
同社のエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部の宮本義敬氏は、まず仮想化市場の動向について紹介し、VMware Infrastructure 3の発売を契機に、「2006年9月頃から急速に市場が拡大しつつある」とした。また、同社のコールセンターに寄せられる質問のうち、「仮想化、自動化ソフトウェア」に関するものが、2006年1月には1.1%だったのが10月には9.1%に伸びたというデータを紹介し、「当社のコールセンターへの問い合わせは中堅・中小企業が中心であることを考え合わせると、仮想化技術への関心はあらゆる層のユーザーに拡がりつつある状況だ」と語った。
本サービスでは、中核的なツールとしてVMwareが提供する「VMware Capacity Planner」を利用する。このツールはHPだけが独占的に利用できるものではないが、VMwareとの密接なパートナーシップに基づき、このツールの使用ライセンスを獲得している。
VMware Capacity Plannerでは、各サーバの利用状況の統計データに基づいて最適なサーバの組み合わせを提案できる。各サーバの利用のピークを把握し、ピークが重ならない形で最適な組み合わせを生成するわけだ。ただし、このツールによる提案はあくまでも理想的なものであり、必ずしも現実的な提案となるとは限らないという。つまり、管理主体が異なるサーバを統合した場合には、統合後の管理体制をどうすべきかといった問題も生じることになる。HPでは、ツールの分析結果を踏まえ、さらに自社で保有するエンタープライズ・システムに関する知識や経験を加味した現実的な最適解を提案できるとしており、この点が同じツールを利用する他社との差別化ポイントとなるとした。
なお、サービスの価格はシステム規模およびデータ収集期間に依存するが、対象サーバが50台まで、データ収集期間が30日のアセスメントの場合の参考価格は105万円からとなっている。
《渡邉利和》
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