【FINETECH JAPAN/Display 2007 Vol.6】日立製作所は画質と機能の両面作戦——脱着式HDD「iV」&蒔絵を引き立たせる黒をアピール
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
イベント会場のように様々な方向から光が当たる場所では黒の表現をアピールしづらい。しかし日立のデモ映像のチョイスは秀逸だ。蒔絵装飾を施した漆塗りの食器をじっくりと見せるというもの。つやのある美しい黒が、蒔絵のゴージャスな金色に引き立てられていた。
日立のWoooシリーズといえば、HDDレコーダーを内蔵した録画機能が特徴だ。その録画機能を拡張するシステムとして、この春のモデルからiVポケットを搭載した機種が登場している。iVポケットとは取り外し式のHDDスロットで、ここには日立マクセルが開発した著作権保護機能対応のHDD「iVDR-S」を差し込める。iVDR-Sは160GBでデジタルハイビジョン画質(TSE)で約32時間、TSE(HD)で約15時間録画できる。
iVの使用例については、すでにPCで外付けHDDを使っている人なら容易に想像がつく。例えば個人でひとつずつのiVを持ち、見る人によって差し替えて使うという方法がある。また、ドラマやライブなど分野ごとのiVを用意してライブラリを作ってもいい。Wooo内蔵のHDDからのデータ移動も簡単にできるので、Wooo本体のHDDをテンポラリー用として使い、随時iVDR-Sにデータを移動させるという使い方もできる。これならHDD容量が足りなくて録画できなかった、という事態を回避できる。
iVの可能性はハードウェアの場所に縛られないところにある。リビングのテレビで録画した番組をiVDR-Sに移し、寝室のiVポケット搭載のWooo 01シリーズで見る、という使い方が判りやすいが、今後、iV対応のカーナビができれば車内で楽しめる。
日立と日立マクセルはiVをAVメディアのコアとして推進する意気込みで、すでにキヤノン、富士通、ビクター、パイオニアなど8社を中心にiVDRコンソーシアムを旗揚げしている。参加企業は今年1月現在で50社になった。映像生活に自由を与えるiVの今後の展開に注目だ。
《杉山淳一》
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