シン・クライアント端末と組み合わせて、処理性能とセキュリティ/管理性を両立——HP新製品発表会
エンタープライズ
その他
注目記事
-
【デスクツアー】真似したい自宅デスク環境一挙公開!
-
日本HP、高い処理性能・セキュリティ・高管理性を実現するブレード型WSソリューション
-
日本HP、30%の処理能力向上をはじめとした強化が行われた「HP-UX 11i v3」

ワークステーション・ブレードは同社のc-Classシャシーに対応する「HP ProLiant xw460c Blade Workstation」で、単体での価格は51万300円から。販売開始は5月上旬の予定だ。なお、「HP Blade Workstationソリューション」は、16ユーザーの想定で約1000万から(クライアント端末、ソフトウェア、ラック、追加サービス費用等は除く)。
xw460cは、同社のブレード・サーバである「HP ProLiant BL460c」をベースとしたもの。プロセッサはIntel Xeon 5100シリーズ。サーバ・ブレードとの違いはグラフィックス機能で、nVidia Quadro FX 560Mグラフィックス・プロセッサを搭載するほか、今後さらにグラフィックス性能を高めたモデルも追加する予定だという。
システムの中核となるのは「HP Remote Graphicsソフトウェア」(HP RGS)だ。HP RGSはブレードが生成したグラフィック・データをネットワーク経由でクライアント端末に転送する。HP RGSで利用される圧縮技術はHPが特許を保有する「HP2テクノロジ」で、これはNASAの火星探査プロジェクトでも採用された実績がある、高圧縮率と高速動作を両立したものだという。クライアント端末として用意されたのは、HDDレス構成のハードウェアで、OSはEmbedded LinuxをROM上に搭載し、HP RGSのクライアント・モジュールを組み合わせている。ユーザーのマウス操作やキーボード入力はネットワークを介してブレード・ワークステーションに送られて処理され、画面表示のビットマップ・イメージがクライアントに転送される形になる。
まず登壇した同社のパーソナルシステムズ事業統括 執行役員 マーケティング統括本部 統括本部長の松本 光吉氏は、「企業の事業はクライアント環境に依存しており、それをどうやって運用管理していくかが重要だ」とした。
続いて製品の詳細説明を行なった同ワークステーションビジネス本部 本部長の小島 順氏は、「従来のクライアントが持っていた表示、演算、記憶の3機能をシンクライアント、ブレード・ワークステーション、ネットワーク・ストレージに分割し、それぞれ統合したもの」と基本的なコンセプトを説明した。さらに、同社が既に提供開始しているブレード型クライアント統合ソリューション「CCI」(Consolidated Client Infrastructure)との違いについては、「ブレード・ワークステーションは単なるクライアントPCではなく、ワークステーション級の演算性能、信頼性、拡張性を実現しており、CCIの上位に位置づけられる」とした。
また、対象市場についてはまずは金融業界が対象となり、将来はCAD市場にも展開したいとしている。
なお、ブレード・ワークステーション上で動作するOSはWindows XP Professionalで、Windows Vistaへの対応は2008年の予定となっている。また、米国/ヨーロッパではLinux(SuSE、Red Hat)にも対応する予定だが、日本国内では「需要がない」ということでWindowsのみのサポートとなる予定。
シンクライアント・ソリューションという観点ではSun MicrosystemsのSun Rayシステムとよく似た構成であり、画面イメージのみの転送に徹する点も全く同一ともいえる。しかし、Sun Rayがサーバ側のSolaris環境をユーザーに使用させるのに対して、サーバに相当する部分にWindows XPが動作するIAブレードを使用し、ユーザーの操作感は通常のPCと全く同一になる点が違いとなる。
《渡邉利和》
特集
この記事の写真
/