電源を落とさずHDDを挿抜——NEC、最大1.1ペタバイトの次世代ストレージを発表
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壇上に上がったNEC執行役員常務 丸山好一氏は、最近の業務用ストレージを取り巻く問題として、「データ量の急増(スケーラビリティ)」、「構成複雑化による運用コストの増大(マネージャビリティ)」、「障害・構成変更による業務停止の危険性(アベイラビリティ)」の3つをあげ、これらをすべて解決する新しいストレージシステムとして「iStorage Dシリーズ」を紹介した。
ラインナップは、業務無停止で最大で1.1ペタ(ペタは1000兆)バイトまで容量追加を行うことができるスケーラブルモデル「iStorage D8(498万円〜)」、価格性能比を追求したエントリモデル「iStorage D3(300万円〜)」、ローエンドモデル「iStorage D1(125万円〜)」の3モデル。
「iStorage D3」は企業内基幹システムやデータセンター。キャリア系データセンター。「iStorage D1/D3」は中小規模の基幹業務システムなどを想定ユーザー層と見ている。
NECはこの製品を含めたストレージ事業の強化により、年率30%の成長と今後3年で1500億円の販売を見込んでいるという。
執行役員 伊藤行雄氏による製品の詳細解説によると、最上位モデルの「iStorage D8」は、システムを停止することなくストレージの追加や領域・構成の変更がおこなえるという。さらに、通常のモジュール構造による増設では頭打ちになってしまうデータ転送能力も、複数のストレージノード間を高速スイッチで連結するビルディングブロック構造と、キャッシュモジュールにマイクロプロセッサを配置したインテリジェントキャッシュによる分散キャッシュ方式により増設したぶんだけリニアに性能が向上するという。
また、バックアップ用HDDなどがアクセスしない時間帯にドライブの回転を抑止するMAID(Massive Array of Inactive Disks)技術が採用されており、省エネ運転でTCOを削減できる。さらに、徹底した多重化、モジュール構造化やトリプルミラーと呼ばれる新しいタイプのレイドシステムRAID-TMの採用により、障害発生によるシステム停止の極小化を図り、高度なアベイラビリティを実現している。エントリーモデルの「iStorage D1/D3」は、ローエンドクラスでは業界初となるトリプルミラー、高信頼SASディスクと低価格大容量のSATAディスクを同一筐体に混載できるのが特徴。
この後行われた、システムストレージ事業部長 横山康氏によるデモンストレーションでは、システムを稼働させたままの、HDモジュールの追加と構成変更作業が披露された。
NECは今後もハイエンドNASストレージ「NVシリーズ」、次世代グリッドストレージ「HYDRA stor」といった次世代ストレージ製品を続々投入していく。
《田口和裕》
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