【NHK技研公開2007 Vol.2】放送コンテンツの質向上を実現する新開発機器&技術——ペラペラの薄型光ディスクは高速回転が可能
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●800万画素単板ハイビジョンカメラ
現在ハイビジョンカメラは、高解像度を維持しながらも小型化が進められている。今回、新たに「800万画素単板ハイビジョンカメラ」の試作品が公開された。従来のカメラでは200万画素の撮像素子を3枚組み込んでいたのに対し、試作品は800万画素の撮像素子を1枚組み込むことで小型化を実現した。また、小型化のみならず従来と同等以上の解像感のある映像を得られるという。さらに、従来はテレビカメラ用のレンズを使っていたが、単板ハイビジョンカメラは写真カメラ用の交換レンズが使用可能だという。
展示スペースでは、試作品で回転するかざぐるまを撮影し、ディスプレイで再生している。かざぐるまの動きをしっかり捉えた鮮明なハイビジョン映像を見ることができる。従来のハイビジョンカメラが隣に置かれているため、試作品の小ささを実感できるだろう。
●薄型光ディスク
Blu-ray DiscやHD DVDなどの次世代記録メディアが普及し始めているが、ここでは“超”薄型の光ディスクが展示されている。0.1mmという数字よりも、「紙のような薄さ」と言ったほうが直感的に分ってもらえるだろう。本当にディスク自体がペラペラなのだ(しかもやわらかいからディスクが曲がる)。これは、容量の増加というよりも、むしろ読み書き時の高速回転を実現するために開発された。薄く柔軟な基板を用いることで高速回転が可能になり、従来ディスクの10,000rpmに対して、薄型光ディスクは15,000rpmを実現している。
そのほか「作る」のコーナーでは、霧や煙などの遮へい物に隠れた被写体も映し出す「電波カメラ」や、スポーツを12台のハイビジョンカメラで撮影し、立体感のある映像に生成する表現技術「ぐるっとビジョン」、さらには最大100万枚/秒の超高速度撮影が可能なカメラなどが展示されている。従来以上に豊かな放送コンテンツの制作を実現する研究が盛りだくさんだ。
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