【APAC J-Partner Summit 2007(Vol.3)】イノベーションのための予算が使われるのはこの3分野
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COO(最高執行責任者)のスティーブン イーロップ(Stephen Elop)氏に続いてキーノートスピーチを行ったアジア太平洋地域副社長のアダム ジャッド(Adam Judd)氏は、このように話しはじめた。
まず、ジャッド氏はジュニパーの業績サマリーを解説した。それによると、急成長しているインドにはかなりの投資を行っているところだが、韓国も62%の成長があり、オーストラリアとニュージーランドは40%の成長率。はじめて1億ドルのレベニューを超えたという。同地域には世界の25%にあたる社員がおり、20%のレベニューを生んでいる。製品を見てみると、日本ではファイアウォール関連が、韓国ではコアルーティングが、中国・台湾ではファイアウォールとSSL-VPNの販売が、インドではDSLのアグリゲーション、ASEANではハイエンドルーティングで大きなシェアをもっている。
氏は「(この結果は)非常に大きなマイルストーンとなった。これを今後は何十億としていく必要がある。そのためにはマーケットシェアを増やさなければいけないし、新しいチャンスを作り、激しい競争のなかでシェアを伸ばさなければいけない」と強調した。
そのためにフォーカスしていくのが、COOのスティーブン イーロップ(Stephen Elop)氏も話していたハイパフォーマンスエンタープライズだ。ただし、CIO(Chief Information Officer)やIT部門がどこに予算を使いたがっているかを理解することが大切だとして「予算の大きな部分がイノベーションに使われるということになる。
新しいプロジェクトにお金を使わないと戦略的なオペレーションなんかは生まれない。というのもイノベーションはチェンジを意味するからだ。これがまさにわれわれのビジネスになる部分だ」と話した。そしてイノベーションのための予算は、スレッド管理、アプリケーションパフォーマンス、そしてアクセスコントロールの3分野で使われるという。氏は事例を交えて、それぞれを解説した。
●スレッド管理
「どうやって社内外からのアタックをプロテクトするか、セキュリティーどのようにネットワークに利用するか、リモートアクセスするにはどうすればいいか、ポリシーをそこにどうやって適用するべきかなど、これらのスレッド管理はデータセンターを含めた全てのエンタープライズセグメントにあてはまる」と氏は話した。
成功例として挙げられたのは次世代スマートファイアウォール/IPsec VPNアプライアンス「SSGシリーズ」だ。「単体のファイアウォールからはじめて統合されたアプリケーションセキュリティーになった」もので、オーストラリア国防省への導入実績がある。シスコからの置き換えに成功しし、この統合されたソリューションを提供することでコスト整備、スレッドマネジメントを助けた。氏はこれを「テクノロジーの勝利ではなく、ビジネスイニシアチブの勝利」と話した。
●アプリケーションパフォーマンス
また、アプリケーションパフォーマンスについては「CIOはファイアウォールとかルータということは気にしない。CIOにとっては、既存のインフラを使っていかに低いコストで問題を解決できるかが重要なのだ。
そこで気にしているのはアプリケーションだ」と説明。氏はキャセイパシフィックが導入したWXTMアプリケーション・アクセラレーション・プラットフォームを例に挙げ「スタンドアロンのソリューションではなく、統合されたプロダクトで問題を解決できるのはわれわれだけ」と自信を見せた。キャセイパシフィックでは、58の支店にWXプラットフォームを入れ、トラフィック最適化技術を通してネットワーク容量を68%上げることに成功していることが紹介された。
●アクセスコントロール
最後に氏が大きなビジネスチャンスと強調し、ハイパフォーマンスエンタープライズでの勝敗がかかっていると話したのがアクセスコントロールだ。「アクセス管理というのは悪者をネットワークから排除するだけのことではない。ネットワークへのアクセス権限を与えたり、ユーザーをグループごとに分類して特定の許可を持たせる、それぞれのユーザーにセキュリティー権を持たせるということだ」とアクセスコントロールの重要性を説明。
出張中、在宅勤務時にはいろんなアプリケーションにアクセスしなければいけない状況が発生し、また緊急の状態が起こったときにアクセス権を遠隔者にどうやって付与するかということが重要になってくるとした。ここではCHINA MOBILEへの統合型アクセス管理ソリューションUAC導入を例に挙げて、これらの分野への強みを強調した。
《小板謙次》
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