インターネットへの接続性がWiMAXのキラーアプリだ——インテル
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
冒頭で挨拶を行なったインテルの共同社長の吉田 和正氏は、「ブロードバンド・モバイルは人々の生活にも関連業界にも大きな変化をもたらす」との認識を示し、技術の普及と半導体製品の開発/販売に積極的に取り組んでいくという姿勢を明らかにした。
続いて、主に技術面からの説明を行なったアラムーチ氏は、WiMAXへの期待の背景として、「消費者は、“いつでもどこでも”インターネットに接続できることを望んでいるが、ユビキタスなコネクティビティを提供できる技術がまだ存在しない」と指摘した。続いて、「WiMAXのキラー・アプリケーションは何になるのかとも聞かれるが、現在インターネットで提供されているさまざまなサービスが利用できる。つまり、インターネットへの接続性そのものがWiMAXのキラー・アプリケーションだ」と位置づけた。
また、同氏は3G携帯電話との技術面での比較を行ない、「チャネル/セクタあたりのネットの情報スループット」を指標として提示した。同氏によると、EVDO Rev.Bで4.65Mbps、HSDPAでは3.91Mbpsだが、Mobile WiMAXでは14.1Mbpsに達し(いずれもダウンロード方向の値)、この点にWiMAXの優位性があるとしている。
さらに同氏はWiMAXの技術的な特徴として、(1)OFDMA、(2)MIMO、(3)音声トラフィックでもバースト型のデータ通信トラフィックでも効率的なMAC、(4)MIMO対応のスマート・アンテナ、(5)オールIPのフラットなシステム・アーキテクチャ、の5点を挙げた。同氏は、次世代の通信技術と目される、携帯電話(4G)、無線ブロードバンド(WiMAX)、無線LAN(11n)のいずれも、OFDMベースの柔軟なオールIPコアを採用しているため、融合が進んでいくという見解を示した。
続いて登壇したピッチ氏は周波数政策に対するインテルのアプローチを紹介した。同氏は「ムーアの法則とマルコーニのトランスミッタの組み合わせ」に言及し、半導体の集積度が向上し続けることで無線機器をチップに統合することが可能になり、アナログ機器のデジタル化が進行することでよりスマートな無線接続が実現できるようになる、という見解を示した。続いて、各国の規制当局が取り組む帯域不足の問題について、「古い非効率な技術で占有している領域を新しい効率的な技術に置き換えていく」「TVの空きチャンネルなど、現在有効に利用されていない帯域を新技術によって効率的に転用する」といった各種の取り組みを紹介した。さらに同氏は、割当の基本方針として、「競争を阻害しないような、硬直的にならないやり方が望まれる」としている。
最後に登壇したレズニック氏は、WiMAXフォーラム代表という立場でWiMAXと3G携帯電話との比較を行ない、「WiMAXは音声通話の代替ではなく、IPベースでサービスを提供するネットワークだ。3Gネットワークのデータ・サービスを補完する存在で、規模の経済メリットが期待できる技術だ」としている。
同氏はまた、日本の総務省がWiMAXに関する免許割当の方針として既存の携帯電話事業者が3割以上の比率を持つ事業者を排除するという案を示したことに対して、「そうしたことは誰も予想していなかったと思うし、既存の携帯電話事業者にとっては驚くべきことだと思うが、競争を促進し、ユーザーによりよい環境を提供するという観点からは高く評価できる」としている。
《渡邉利和》
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