ジュニパー、スループット1.6Tbpsを誇るシングルラック型コアルータ
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T1600の大きさは下位機種のT640と同じハーフラックサイズで、マルチシャーシに対応する。インターフェイスカード1枚あたりスループットは100Gbos(半二重で200Gbps)で、16枚のインターフェイスカードを搭載することで、最大1.6Tbpsのスループットと19.2億pps(パケット/秒)をサポートする。
発表会ではジュニパーネットワークスの代表取締役 大須賀雅憲氏によってT1600の紹介が行われた。大須賀氏はT1600の特徴を「キャパシティ」「ベスト対投資効果」「サービスコントロール」の3つの言葉で表した。キャパシティについては、競合他社の製品との比較例を図で示し、T1600の優位点が紹介された。他社製品はラック幅が非標準規格で1ラックを必要とし、スループットが1.28Tbpsであるのに対し、T1600のラック幅は標準サイズで1/2ラックで済むのにもかかわらずスループットが1.6Tbpsと、他社を上回っているとのこと。
次に、1.6Tbpsのスループット時における費用対効果についの紹介が行われ、他社の従来製品に比べラック容量は60%の削減、本体重量は67%の削減、消費電力は49%の削減となることが語られた(厳密には、他社の従来製品でスループットが1.6Tbpsの製品が無いため、ここで紹介された数値は比率での値となる)。
大須賀氏は「消費電力、容積、重量はお客様にとって投資対象となります。重量については設置する場所によっては床を補強する必要が生じ、意外と馬鹿にできない。容積についても複数台設置する場合、不動産に対する投資に影響する。消費電力は、多くの通信事業者の大きな関心事となっていて、消費電力が半分になるということは投資の面においても、環境問題の面においても重要となるであろう」と語った。
そして、T640からT1600へ機器を移行する際に、資産をムダにすることなくアップグレードが行える事が紹介された。既にT640を利用している場合、ラックはそのまま活用し、電源ユニットを大容量の物に交換し、複数枚あるインタフェースカードや、スイッチングインタフェースボードを順次交換することで、システムを停止させることなくアップグレードが完了する。そして、アップグレードに要する時間は90分程度で済むとのこと。
サービスコントロールについて、大須賀氏は「様々なアプリケーションが登場し、以前のようにコアルータは速くて堅牢な物であれば良いという状態ではなくなりつつあり、きめ細かいサービスコントロールが必要となってきている」と語った。その例として、パケットにラベルを付加し、データ転送を行うMPLS(Multi Protocol Label Switching)による例が紹介された。
この例の場合、ユーザーがビデオサーバに対し動画視聴のリクエストを行うと、ポリシーマネージャとコアルータが連携し、ユーザーにとって最適なネットワーク利用環境となるように経路を探し出し、データ転送が行われる。なお、転送経路はコアルーターによって、その都度ダイナミックに変更される。
コアルータでのサービスコントロールを支える基盤となるのは「JUNOS」と呼ばれるモジュラー型のOSで、大須賀氏によると世界のトップ30のサービスプロバイダで使用され、50,000台以上のルータでの稼働実績があるとのこと。さらに、JUNOSは販売開始以来バージョンアップを積み重ね、T1600には過去10年に渡る稼働実績からの蓄積が活かされ安定動作し、かつ柔軟に拡張ができると述べた。
最後にT1600は13日より、千葉県の幕張メッセで開催されるネットワーク関連の総合展示会「Interop」のジュニパーネットワークが出展するブースにおいて、実機の展示が行われる事が紹介された。
《青木聡史》
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