東大病院、シスコ製品の採用により無線LANの集中管理システムを構築
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今回のシステム導入は、CTやMRIといった静止画に加え、多様化する検査動画やCTのマルチスライス化などにより、データトラフィックが増えたことを受けてのものだという。同病院では2001年にギガビットネットワークを導入していたが、上記の状態に加えて2006年8月には中央診療棟2も竣工されており、ギガビットネットワークの拡張が必要となっていたとしている。
今回のシステム拡張では、従来3台だったシスコのコアスイッチ「Cisco Catalyst 6500シリーズ」を病棟の拡張と増大するネットワーク要求と共に現在では9台にまで段階的に拡張。加えて、「Cisco Catalyst 3750シリーズ」と「Cisco Catalyst 2900シリーズ」も合計で約220台稼動しているという。
また、約400台設置されている無線LANのアクセスポイントを効率的に管理するため、「Cisco Wireless LAN Controller」「Cisco Wireless Service Module」(WiSM)、および集中管理ソフト「Cisco Wireless Control System」を導入。これらにより、アクセスポイントと電波環境の集中管理を行い、状況把握が難しい電波環境の見える化と運用負荷の軽減を図ったとしている。
さらに、「Cisco 2700 シリーズ Wireless Location Appliance」を採用し、Wi-Fi端末とWi-Fiアクティブタグを利用した位置検出システムを、データ通信用インフラを有効活用して実験的に導入したという。
このシステムにより、輸液ポンプや人工呼吸器などの移動型医療機器の管理や、こうした機器に異常が検出された場合、その位置情報の検出により、患者への適切な対応などの安全管理への応用を検討しているという。なお、最終的には無線接続の電子カルテ端末などの業務端末のほかに、職員のマネージメントも視野に入れられており、管理対象は1,000以上に上ると想定されている。
同病院では今後、患者へのサービスの一環として、自分の検査結果を自宅などからリモートで確認できる環境を提供し、病院での滞留時間の軽減や時間に縛られない状況確認などによるストレスの軽減を図る取組みを実施するとしている。また、必要により外出先の医師からの受け持ち患者への的確なアドバイスの提供など、安心して質の高いサービスの提供を受けられるリモートアクセス環境の構築も検討しているという。
このほか、「Cisco ASA 5500 シリーズ 適応型セキュリティアプライアンス」と「Cisco Secure Desktop機能」を利用することにより、セキュアな接続と接続先からの情報流出リスクの回避を考慮したリモートアクセス環境を本年度中に稼動開始する予定だとしている。
《村上幸治》
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