DVDより静かなPCを——NEC、デスクトップ秋冬モデルに「新水冷システム」
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今回発表された水冷システムは、同システムを開発してきた日立の第4世代となるもの。NECと日立が協力して開発を行い、NECのデスクトップPC秋冬モデルに搭載される予定だ。
特徴のひとつにCPU水冷の改良がある。日立が2006年に開発した第3世代のCPU水冷ジャケットは、CPUの熱を冷却水に伝える「マイクロチャネル」の流路溝幅が0.15mmであった。今回はマイクロチャネルが0.09mm間隔に改良され、冷却水が流路を流れる際の抵抗が少ない「ダウンフロー方式」も新たに開発。また、CPU内部のダイサイズを考慮したピンポイントでの流路設計も新たに実施し、放熱の性能を示す熱抵抗値を摂氏0.14度/W程度から摂氏0.09度/Wに向上させた。これにより、今後登場するより高性能なCPUにも対応できるようになったという。
また、世界初のHDD水冷ジャケットの採用による静音化も大きな特徴だ。HDD水冷ジャケットを採用したことでHDDの熱を取り除くことができ、高性能な防音材・防振材でHDD全体を包み込むことが可能となった。その結果、HDDの稼動音が10dBA以上低減された。
さらに、毎分1,000回転以下の低回転ラジエーターファンや、低駆動音のマイクロポンプ、各部への高性能吸音材を採用したことにより、水冷システム全体の駆動音も約22〜24dBAに低減された。これは一般的なDVDレコーダーに相当する数値となる。
AV機器クラスの静音PCを目指すNECのパーソナルプロダクツ・PC事業本部・開発生産事業部・統括マネージャーの小野寺氏は「テレビやDVDをPCで見るお客さまが増え、デスクトップPCに対して静音化のニーズが高まっている。静音水冷システムを採用することによって、一般的な家庭用DVDレコーダー以上に静かなAVパソコンが実現できる」と語った。
また、会場には旧モデルと今回の静音水冷システムの駆動音を聞き比べられるブースや、補聴器を使用しての静音性の体感コーナーなども設置された。静音PCブランドの構築を目指すNECのPCが大きくアピールされた発表会となった。
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