NEC、WiMAX電波伝搬シミュレータを開発〜WiMAXエリアを視覚的に解析・表示・設計
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新しい無線方式であるWiMAXシステムでは、MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) やサブチャンネルといった新しい空間・周波数利用の概念の導入により、限られた周波数帯域での大容量通信と、基地局間での周波数再利用の実現が期待されている。しかし、従来のエリア設計ツールでは、これらの技術導入による効果を高精度かつ定量的に見積もることができず、コスト効率の高いエリア設計を行うことができないという課題があった。
NECが開発した「RADIOSCAPE-WiMAX」は、無線LANシステムや第3世代携帯電話システム向けにNECがこれまでに開発してきた電波伝搬シミュレータ「RADIOSCAPE」を高機能化したもので、WiMAXシステムにも対応する。
「RADIOSCAPE-WiMAX」では、階層化MIMO特性推定技術を開発したことで、MIMO技術による伝送容量の増加効果をエリア全域にわたり高速・高精度に推定できる。たとえば東京23区内全域に1km間隔で基地局を配置したと仮定すると、従来手法では計算処理に52日かかるところ、本手法では1.3日で実現することができる。また、サブチャンネル間の干渉特性をモデル化しシミュレータに実装することにより、精度の高い干渉推定に基づく周波数配置設計を可能とし、限られた周波数帯域を有効に活用したエリア設計を行うことができるようになった。なお、従来比40倍の高速な通信可能エリアの推定が可能であることを、屋内外電波伝搬実験によって確認されたとしている。
NECでは今回の成果を、WiMAXを全国展開する通信事業者に対する、エリア設計業務支援のための基盤技術として、また、地域に高速無線サービスを提供する自治体に対する、自治体間の周波数配置の調整業務支援のための基盤技術として位置づけ、早期の事業化を推進していくとのこと。
なお、NECは今回の成果を、10月5日にコクヨホール(東京都港区)にて開催される「第二回シミュレーションの“力”ワークショップ」で発表する予定。
《冨岡晶》
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