セカンドライフに賛否両論——IT業界の本音、過半数が参入を疑問視?
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
セカンドライフなどの新潮流に対して親和性が高いはずの、インターネット業界人を対象とした調査だったが全体の28%が「知らない」と回答、実際のプレイについては79.0%が「使ったことがない」と回答した。
またセカンドライフへの企業の参入については、「1位:様子を見て参入すべき(36.5%)」「3位:今参入しておくべき(11.3%)」「5位:広告代理店等、参入支援企業は今参入しておくべき(9.3%)」の合計で、過半数の57.1%が何らかの形で「参入すべき」と回答したが、一方で「2位:一時的な流行のため、参入する必要はない(31.0%)」「4位:効果は薄いと思う(10.8%)」という回答も票を集め、企業のセカンドライフ参入について、ほぼ評価が真っ二つに分かれる結果となった。
さらにマーケットとしての可能性については、否定的な意見である「1位:ユーザ数も効果も衰退する(40.2%)」「3位:効果は見込めない(22.3%)」が大きく肯定的な意見「2位:今後伸びる可能性がある(33.2%)」を上回った。現状の参入企業に対しても「1位:メディアに取上げられる以外の効果は見えない(42.3%)」「3位:参入後のマーケティング効果が見えない(18.5%)」「2位:メディアに取上げられたことで充分効果はあると思う(32.5%)」と、否定的な意見が多数を占める結果となった。
一方でこういった現状に対する課題について「1位:データが重い」「2位:国によって法律が違う」「4位:画像が日本人に合わない」などとなり、マーケティング以前の根本的な不満のほうが「3位:どうやって楽しめばよいかわからない」「5位:そもそも面白さを感じない」などを上回った。
セカンドライフに限らないインターネットサービスで、今後人気が伸びそうなものとしては「1位:動画ストリーミング(60.8%)」「2位:SNS(41.3%)」「同率3位:仮想空間(セカンドライフ)(33.8%)」「同率3位:音楽配信(33.8%)」となった。
日本語版登場前後の盛り上がりが過ぎ、期待は残っているが現状は惨憺たる状態となってしまったセカンドライフ。純粋に物作りが好きなユーザにとっては、なんでも作れる魅力的な仮想世界だが、日本で不幸だったのは、とにかくありとあらゆる面で、企業の話題作りのマーケティング視点でしか語られないという立ち位置だったのかもしれない。「広告手段」でも「ゲームの代替品」でもなく、純粋な遊び場としてのセカンドライフが、今後巻き返すことはあるのだろうか?
《冨岡晶》
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