【コラム】久々に個性的なマシンが登場!——HP TouchSmart PC
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
大きく、付箋紙とビデオメッセージに大別されるが、タッチパネル搭載製品であるだけに、キーボードをいっさい使わない。落書き感覚でメモを残し、気になったメモ(メッセージ)をクリックすると表示あるいは再生される。メーカー側は「丁度、キッチンの冷蔵庫や机の上の紙に気軽にメモを残しておく風景に似ている」というが、その通りだろう。。記者会見では、帰りが遅い“パパ”に子供がビデオメッセージを残すデモが展開された。深夜帰宅族の代表であるお父さん記者たちは複雑な思いで会見を見ていたに違いなく、思わずホロリとくる瞬間だったろうが、案外、こういう使い方が一般家庭ではウケるのではないかと感じた人も多いだろう。ちなみに、マーケティング戦略的なところでは、日本独特の演出だそうだ。キーボードを使わないと書いたが、使いやすさ、簡単を演出しているのは、やはり指だけで大部分が操作できる点にある。最大解像度1,440×900ピクセル(WXGA+)のグレアパネルを搭載したディスプレイの左上にはスタイラスペンを搭載しているが、あくまで補助的なものだろうと感じたほどだ。
また、気の利いたところでは、PCの後ろに別売のコンパクトプリンターを設置しておける点にある。この種のPCで写真を印刷したいと言った場合、PCとプリンターが離れているというのは、心理的によろしくない。プリクラのように、まさに操作しているその機械から写真がプリントアウトされてくる感覚がほしいものだ。同製品には本体下部にプリットされた用紙がでてくるスペースが設けられており、選択した画像が即座に出てくる感覚が味わえる。言いすぎかもしれないが、PCがプリントマシンであるかのような感覚で操作することができることが大切だ。
ただ、残念な点もある。会場のデモではダイニングキッチンに置かれた「HP TouchSmart PC」がクルクル回転していた。回転台に置かれたTouchSmartは、台所側、リビング側へはクルリと回転していて、これが使い勝手の良さをアップしていた。メーカー側にはオプションでも、これらの台をつけていただきたいところだ。
使い勝手という点では、ドライブの位置、カードリーダーの位置がある。一体型パソコンでは、光学ドライブを液晶ディスプレイのサイドに配置している製品がある。あまり気にならないことかもしれないが、AV家電製品でディスク挿入をする場合、私たちはトレイに対して平らに寝かせた状態で置くのが自然であるはずだ。同製品では、底面に配置されているために自然な挿入が可能だ。また、カード−リーダーの位置は意外と探さなければいけいない場所に隠れているものも多いが、前面に置かれているためにわかりやすい。
自作市場も含め、今、パソコン本体が面白くないという声が一部から聞かれる。本当に欲しいマシンが少なくなった。デザイン、使い勝手、コンセプトを強烈に打ち出した製品が、もっと登場してくることを市場は望んでいる気がする。
《RBB TODAY》
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