生き残りをかけて日立、キヤノン、松下が液晶ディスプレイで団結
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
日立の古川一夫社長は、「高度な液晶関連技術を持つ日立と、カメラやプリンターにおいて強みを発揮するキヤノンと、テレビ分野のグローバルリーダーである松下との3社が、緊密に連携することでIPS液晶パネルを安定的に調達することができる」とし、さらには、「有機ELなどの次世代ディスプレイにおいても3社の競争力をより高めることができると確信している」とした。
キヤノンの内田恒二社長は、「SEDに関しては現在訴訟中、控訴審なので具体的なコメントは控えたいが、現在も技術開発に邁進している。今回の提携があるといっても、我々は決して諦めたわけではない」とコメント。また、「当社は、静止画の入力と出力、動画の入力に関する機器は持っているが、テレビやディスプレイといった動画の出力機器がなかった。今回の提携で、中小型液晶や、有機EL、SEDという3つのディスプレイを新たに加えることにより、キヤノンの新たなる進化が可能になる」とした。
松下の大坪文雄社長は、「PDPを基軸とした薄型テレビ市場の基本戦略には何の変更もない。今後も37型以上でグローバル占有率25%を目指す。一方で、多様化するニーズに答えるには、液晶テレビにおいてさらに事業基盤を確固たるものにしなければならない。将来的には、IPSアルファの経営権の過半を取得し、日立グループと連携を取り、次世代工場建設を行っていく」。さらに、「ポスト液晶として有力視されている有機ELは、液晶パネルと技術的な共通点も多い。今回の合意で、薄型テレビにおける将来の有機ELの展開も視野に入れることができる」との展望を見せた。
最後に古川社長は、「パネル事業はもうグローバルの中に置かれているので、連合を組んで勝ち抜いていく必要がある。そんな意味でも、今回の3社提携は最後まで生き残ることができるものと考えている」とした。
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