F5 Acopia製品による仮想化事業戦略——WAN Jetとの包括的ソリューション
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米国F5 Networks, Inc.社(以下、F5)は昨年、Acopia Networks, Inc.社を買収。ファイル仮想化製品「Acopia」は、ユーザーと物理ストレージを仮想レイヤで分離することにより、柔軟な構成変更や、統合ストレージプールによる単一マッピング、リソースの有効活用が可能になるとしている。
F5のマーケティング担当シニアディレクターであるカービー・ウォズウォース氏は、「Acopiaは、仮想レイヤでポリシーベースのデータ管理を可能にする点において、他社製品にはないインテリジェントなファイル仮想化である」と言及。ファイルアクセスやクライアント側の設定変更を行うことなく、マイグレーション、ティアリング、ロードバランシングなどのタスクを自動化できるそうだ。
ダウンタイムやビジネス中断のないマイグレーションは、「ユーザーのほとんどがAcopia導入の決め手としている」(ウォズウォース氏)。またティアリングにおいては、「全データをコスト高の単一ストレージに格納するのではなく、あまり使わないデータをあらかじめファイルの属性などから安価なストレージへ自動的に移行するよう設定しておくことで、ディスク使用領域の減少やバックアップ時間の大幅短縮を実現できる」と説明。ロードバランシングにおいても、既存のファイルサーバに対するファイル要求を自動的に負荷分散することが可能となり、特にコンテンツ配信ビジネスなどにおいてパフォーマンスのボトルネックを解消できると言う。
ウォズウォース氏はまた、Acopiaと「F5 WANJet」を組み合わせたソリューションを紹介。拠点ごとに分散したデータのトラフィック量の削減や、ディザスタリカバリのレプリケーション実行など、顧客が持つ様々な問題をF5の包括的ソリューションで解決できることを強調した。
「Acopia ARX」シリーズは、ARX500、ARX1000、ATX6000の3モデルが2007年12月より国内販売されており、価格は660万円からとなっている。F5ネットワークスジャパンは昨年、営業やサポート部隊を増員しており、代表取締役社長 長崎忠雄氏は「これで日本のお客様に対してもしっかりとしたサポート体制が整った」と語る。F5はアプリケーションベンダーとの協業により、アプリケーションに特化したソリューションの提供を始めているが、F5ネットワークスジャパンもNECのサービス実行基盤「WebOTX」やBEA社の製品との連携により、「グローバルアライアンスの国内展開を進めている」(長崎氏)。また長崎氏は、「Acopia製品の投入によってストレージ管理市場へもADN(Application Delivery Network)の概念を拡大していき、データセンター、エンタープライズに対してマイグレーションサービスも含めた価値提案をしたい。数年以内にはこの分野でマーケットリーダーを獲る」と語った。
《柏木由美子》
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