「きずな」打ち上げ延期——原因は姿勢制御スラスタ、要交換か
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
この14号機には超高速インターネット衛星「きずな」が搭載され打ち上げられ、その模様のライブ配信なども行われるはずだった。ロケット打ち上げ延期に伴い、これらの予定も現在は未定となっている。
今回の延期の原因となったトラブルだが、ロケット2段目のガスジェット推進薬充填作業中にタンク内の漏洩ということだ。具体的には、「きずな」を最終的に衛星軌道に乗せるため2段目ロケットの姿勢制御を行うガスジェットスラスタの推進薬(ヒドラジン)タンク内部のダイヤフラムというゴム製の部品に漏れが発見されたらしい(下図参照)。
図のように、タンク内は推進薬とそれを押し出すヘリウムガスをダイヤフラムによって分離されている。スラスタを噴射する場合は、タンクの片側からヘリウムガスを送り込む。このヘリウムガスの充填側にヒドラジンが確認されたため、タンク内の漏洩が判明した。ヒドラジンは毒性が高いため、打ち上げ直前まで充填作業を行われない。
このトラブルに対する処置としては、問題のスラスタモジュールの交換が基本となるが、ロケットはペイロード(「きずな」)も含めて組み立て済みである。必要な手順や作業時間など、現在打ち上げの再スケジューリングについて詳細を検討中とのことだ。
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