新VIERAはココが違う!——松下が“パワーアスリート画質”を支える技術を解説
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パナソニックAVCネットワーク社の映像・ディスプレイデバイス事業グループ 商品企画グループグループマネージャーの和田浩史氏は「パワーアスリート画質」を実現する技術を、臨場感のすごさ、色のあざやかさ、動きに対する強さの3点に分けて説明した。
●ダイナミックブラックレイヤー、新細幅リブと新蛍光体、クリアピクチャーパネル
「臨場感を支配する最も重要な要素はコントラストと考えている」と和田氏は説明を始めた。新VIERAでは世界最高のハイコントラスト30000:1、液晶では10000:1を実現した。30000:1のコントラストの実現のためにダイナミックブラックレイヤー、新細幅リブと新蛍光体、クリアピクチャーパネルといった3つの新技術を導入。ダイナミックブラックレイヤーではプラズマに新素材となる層を構成したもので、予備放電を従来の1分の1に低減。これにより黒レベルをいっそう沈めることがでたとしている。
また新細幅リブはリブ幅を細くし、新しい蛍光体を採用することで発光効率を大幅にアップし、ダイナミックレンジを広げることに成功した。画像処理も最大16ビットから18ビットに拡大し諧調性豊かな映像を楽しめるよになっている。クリアピクチャーパネルは、前面ガラス表面の拡散効果を低減させるために外光の映りこみを抑え、クリアでツヤのある映像再現を実現している。一方、液晶を見てみると、キーテクノロジーとなっているのは新開発のフルハイビジョン新WコントラストAIだ。映像シーンの特徴に合わせてバックライトの明るさを制御することによって光量を最大9分1まで低減、いっそうひきしまった黒を表現することでハイコントラストな映像を楽しむことができるように開発されている。
●パナソニックハリウッド研究所で培ったカラーリマスターシステム
色のあざやかさについては「高画質には色表現も非常に重要だ」として写真のような、新VIERA PZ800シリーズの色再現量を示した。同シリーズでは、現在のデジタルシネマで使用されている色表現領域をほぼ満たす色再現を実現。従来のデジタルハイビジョン放送の色域も120%という非常に広い色域になっている。また、従来では表現が難しかった深い赤、輝く金色など新次元の表現が可能になっている。この高い色表現力の実現のためパネル、回路両面に新しい技術を導入している。そのひとつは高色域プラズマパネルだ。新開発の蛍光体、材料に加え、プロセス技術、光学フィルターなどを新たに開発した。
もうひとつは新しい回路技術となるカラーリマスターシステム。氏は「パネルだけでは高色域のポテンシャルを最大限に発揮することはできない。高色域の色情報をどのようにして映像に表現するか?どのように信号処理をするのかが非常に重要だ」として。まずデジタルシネマについて紹介した。現在、ハリウッドなどの映画撮影現場ではデジタル化が進み、デジタルハイビジョン放送の色域よりもより広い高色域なデジタルシネマ色域が用いられるようになってきている。一方ブルーレイソフトなどのマスターを作成する過程には民生機器に対応するために高色域で撮影されたデジタルシネマの映像を、デジタルハイビジョンの色域にまで圧縮することが行われている。この圧縮作業が色作りのプロであるハリウッドカラーリストたちによって行われ、制作者の意図を損なわないようにきめ細かく調整されている。同社ではパナソニックハリウッド研究所で色の圧縮や色表現の技術についてノウハウを蓄積してきた。今回はそのノウハウをデジタルデータのカラープロファイルとして構築、高速に色域変換を行う3次元カラーマネージメント回路に組み込み、カラーリマスターシステムとしてPZ800シリーズに搭載したという。カラーリマスターシステムはブルーレイなどのパッケージメディアだけではなく、テレビ放送にも有効に働くという。
また、液晶においてもフルハイビジョンIPSαパネルを採用、HDTV放送の色域をほぼ全域でカバーした。輝度信号と色信号のデジタル処理を従来以上に細かく制御、色つぶれを抑え微妙な色の違いも細やかに表現できるようになっている。
●900本以上という高い解像度を維持
動きに強い。フルハイビジョン時代には今まで以上に精細感のある映像を楽しむことができる。特にオリンピックのようなスポーツ中継を見る場合には動画においてもその精細感を維持できなくてはならない。VIERAのフルハイビジョンプラズマは動画においても900本以上という高い解像度を維持している。液晶もフルハイビジョン新Wスピードによって動画解像度600本以上を実現した。映像のコマ数を通常の2倍になる120コマ/秒で表示させ、直前の映像信号を表示する時間を半減させ動画のぼやけ感を提言した。今回さらに、モーションフォーカス技術を導入している。これにより画像の動きをエリアごとに検出しバックライトを細かく制御することで早い動きをさらに高精細に描画している。
《小板謙次》
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