【仮想化最前線】仮想化=ブレードの判断は正しいか?iSCSIをキーに市場を攻めるデル
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同社のノース・アジア ソリューション&アライアンス・マーケティング本部ソリューション・マーケティング・マネージャー 大植吉浩氏は、「仮想化市場自体、昨年あたりから国内で非常に大きくなってきました。(しかし)大企業で運用がはじまりだした、というのは私どもの考えとは違う。仮想化は非常にスケーラブルなソリューション形態になってます。全く新しいフレームワークですので、まだテスト段階というフェーズの方々が多くいます」と話す。本格的に数百代のサーバを大きく変更する企業はまだ少数派で、むしろ部門ごとにテスト的に導入するというフェーズであるという。
デルは3日、「アセスメントサービス」を発表したが、これは新規導入・更新(UNIXマイグレーションも含む)の初期検討段階のサービスとして利用可能なもの。サービスには「仮想化アセスメントサービス」が含まれている。これも同社の考えを反映しているサービスのひとつと言えるだろう。開催している技術セミナーについても、のきなみ好評だ。参加者の様子については「お客さんの目の色が変わってきていると感じる」(セントラル アドバンスト システム グループ エンタープライズ テクノロジスト 池田賢司氏)という。「仮想化ってなんですか?」という質問から、運用に落とし込んだ時のことを見越した質問が登場している。
ヒューレット・パッカード社の“アダプティブエンタープライズ”に対して、デルは最終的に運用管理の自動化を目指す“Simplify IT”というフレームワークをかかげている。「自動化を目指すお客さんは、それなりの規模のお客さんだと思ってます。こうしたお客さんでも、情報システム部門として自分たちも運用管理が不慣れで怖いという部分があります。上層部に対しての実績という意味でも、大規模にガラリとシステムを変えるのはなかなか稟議も通りません。試しに部門レベルで運用しておいて、エンドユーザからの評判を得、コストメリットがIT部門としてもあると判断した段階で上層部に話をもっていきたい。こんなストーリーをお客さん自体が考えてます」。
最近の事例では、20台のサーバを2台のESXサーバで統合した工程管理システムを挙げた。PowerEdge 2950 IIIのほか、ストレージはファイバチャネルのDELL EMC CX3を活用した。「VMwareはiSCISを共存して使うことも可能なため、仮想マシンによって使い分けていただいてもいい。必ずしもファイバーで統一する必要はありませんというお話はしましたが、このお客さんはファイバーチャネルに対して抵抗がなかったこと、それなりの予算をとっていた」ケースだ。
同社では2月下旬にストレージ戦略説明会を開催し、Dell EqualLogicは仮想化をさらにシンプル化していくとしている。iSCSIのDell EqualLogic製品とファイバーチェンル製品の両輪で販売していくとしているが、市場ではiSCSIがキーになっていくことが考えられる。同社ではiSCSIを負荷が低いところ導入していくことを勧めている。
一方、最近ではブレードについても関心が高くなってきている。同社でも1月に発表したPowerEdge M1000eなどのブレードを取りそろえる。だが、仮想化・統合=ブレードという考えには疑問を投げかける。「昨今、仮想化=ブレードという方程式を見かける。ただしDELLの考え方としては、そもそもお客さんのニーズは何なのかという前提にたって、場合によってはブレードのほうがいいかもしれない、しかし本当はラックのほうがもっと柔軟に対応できるかもしれないと、この入り口をきちんと見た上で考えていこうとしている」と他社との違いを強調する。全社的に仮想化を展開した場合、ディスク容量が足りなくなったら継ぎ足す、サーバを増やしてくということがあるとが、ブレードを導入すると、ロックインされてしまう。つまり、同じメーカー製品を買い続けなければいけないこと、エンクロージャーをまるごと一個買わなければいけなくなってくることなど、柔軟性がかけてしまうこともあるという。「たとえば、工程管理システムでも20台のサーバを2台のサーバでできてしまっている。ブレードのシャーシの数を考えれば相当数の空きスロットがあきます。それを埋める計画を当初の段階から考えるというのは、ブレードばかりでなく、ラックマウントも考慮した選択肢が必要だと思います」。
2012年には仮想化はシステムの4割近くを占めるという調査データもあるが、同社では現段階ではまだ高負荷な物理マシンを仮想化しようという顧客は少ないと見ている。そこで主流となってくるのはiSCSIであり、顧客へのリーチにおいても優位にたとうとしているようだ。
《RBB TODAY》
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