KDDI研究所、新OFDM方式「R-OFDM」の開発に成功〜安定した高速モバイル通信が可能に
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OFDM方式は、“直交周波数分割多重伝送方式”のことで、広帯域を用いた移動通信システムの実現に適しているほか地上波デジタル放送等で採用されている。基本的に歪みのある通信路で高速データ伝送を実現するものだが、歪が大きくなると、伝送誤りが大きくなるため、同一品質で通信できる距離が短くなるという問題があった。
通常はデータ伝送速度の低下を許容して、通信路で生じた誤りを受信機で訂正する方法を組み合わせるが、KDDI研究所があらたに開発したR-OFDMでは、同一品質で通信できる距離を改善できる。具体的には、25〜50%のデータ伝送速度の低下を許容する場合に、従来のOFDM方式に比べて、50〜90%程度の電波強度(典型的な屋外環境で 10〜40%程度の通信距離の改善に相当)で同一の通信品質が維持されることが、実験により検証された。
今回の検証で使用された実証実験装置は、“第4世代”(4G)と呼ばれていた「IMT-Advanced」の無線要素技術を検証するために開発されたもので、3.9世代方式の主要パラメータを拡張した仕様になっており、R-OFDMを用いても、最大ビットレートである746Mbpsのリアルタイム通信が実現できることが確認されている。
今後は、モバイル環境における高速安定通信サービスの実現に向けて、R-OFDMやIMT-Advancedの無線要素技術等の検証を屋内外のさまざまな実環境で行い、また、IPアプリケーションの動作検証を行っていくとのこと。
なお、本実証実験の様子は「2008年ワイヤレステクノロジーパーク」(5月13日〜14日)出展ブースで紹介される予定。
《冨岡晶》
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