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
VS900はSANスイッチで定評のあるベンダーであるブロケードのハードウェアに、ブロケードと富士通が共同開発した仮想化ソフトウェアを組み合わせた仮想化SANスイッチだ。VS900を富士通のETERNUSストレージと組み合わせ、さらにストレージ運用管理ソフトウェアを利用することで、仮想環境と物理環境の対応付けを把握しつつ、より抽象度の高い管理が実現できる。
デモでは、2台のVS900に接続された2台のストレージ(ETERNUS8000/ETERNUS4000)を仮想化した巨大な「ストレージプール」を生成し、そこから任意のサーバに任意のサイズの領域を割り当てる、という操作が示された。
複数のストレージ・デバイスを仮想化された巨大なストレージ・プールに統合する機能は多くのストレージ仮想化製品が実現しているいわば標準的な機能だが、VS900とETERNUSの組み合わせでは、デバイス名やLUN番号など、物理層の詳細情報を管理ソフトウェアから参照できるため、物理デバイスを意識しつつ、仮想化のメリットも享受する、といった管理が自然に実現できる点がメリットとなる。たとえば、今回のように機種の異なるストレージが混在している場合、アクセス速度やキャッシュ容量といった性能の差やハードウェアレベルの特徴を踏まえ、どの用途にどのストレージの領域を割り当てるか、といった判断が可能になる。完全に仮想化されてしまい、管理者からはストレージ・プールしか見えない、という環境に比べ、物理デバイスとの関連付けが維持されている分、管理者にとっては馴染みやすい環境だといえるだろう。
このほか、デモでは「データ移行(マイグレーション)」時のアドバンテージも紹介された。VS900を利用した仮想化では、仮想ディスクを構成する物理領域を、サーバからのアクセスを維持したまま移動することが可能だ。ストレージ・デバイスの更新など、データを丸ごと新ハードウェアに移動するような場合でも、業務やサービスを停止する必要は一切無く、サーバからは通常どおりにデータアクセスが可能な状態を維持しつつ、実際のデータ領域は順次新ハードウェアに移動する、という操作が可能だ。業務中のシステム更新が可能になることで、運用管理者の負担も大幅に軽減されるはずだ。
《渡邉利和》
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